今季を含め過去10年間で3位以上のAクラスが一度だけしかない中日。その主力である大島洋平が2年契約の年俸2億5千万円で契約更改した。
今シーズンはリーグ2位の打率(3割1分4厘)をマークしており、竜の安打製造機は健在だ。だが、大島は更改後に球団幹部にこう懇願したという。
「もう1人くらい、打てる人が欲しい」
この切実とも言える要望に、ある球界関係者は、同情を禁じ得ない様子でこう語る。
「親会社の中日新聞は購読者数が右肩下がりで、目に見えて球団の運営予算が厳しくなってきた。トレードや新人発掘には力を入れられるが、メジャーリーグで活躍した助っ人を引っ張るのはもはや夢物語のレベルで、このままでは来年も2年連続の最下位が見えている。大島がたまらず補強を訴えたのも無理はないでしょう」
さらに、こんな「中日らしい事情」も指摘されている。
「中日は愛知、三重、岐阜など『地元枠』でスカウトした選手が突出して多い。そのため成績が出なくなってもなかなかクビにできないという事情を抱えています。今年も20試合程度しか投げられなかった田島慎二が複数年契約であることが判明しました。ファンの間では『もっとほかに予算を振り分けた方がよいのでは』といった辛辣な声も多く出ていましたね」(地元記者)
来季は立浪和義監督にとって2年目の正念場。大島がするまでもなく、「補強の懇願」はむしろ、とうの昔に立浪監督がしているのかもしれない。