11月15日、楽天・涌井秀章と中日・阿部寿樹の電撃トレードが成立したことがわかった。
阿部はシーズン7年目にして初の4番に座り、131安打、57打点の活躍。32歳(12月3日に33歳)の年齢も、アブラの乗り切った頃合いだろう。
一方、通算154勝の涌井は今シーズン、試合中に右手中指を骨折するアクシデントもあり、10試合に登板して4勝3敗に終わった。36歳の年齢を考えても、現役終盤をイメージせざるを得ないところかと思いきや、野球解説者の高木豊氏は、涌井の中日での活躍に太鼓判を押すのだ。YouTubeチャンネル〈高木豊 Takagi Yutaka〉で評するには、
「セ・リーグのピッチャーっていうのは、駆け引きをしてくるんだよね。例えば、ボールの出し入れ。(涌井は)それが得意なピッチャーだし、駆け引きができるから、セ・リーグで十分、通用するんだよ。それにコントロール。けっして高めに投げない。バンテリンドームも広いし、非常に働きやすい環境に来たのかなって思うよね。涌井にとっては、選手寿命を延ばすには非常にいいトレード」
涌井は、西武(07年、09年)、ロッテ(15年)、楽天(20年)と、所属した全球団で最多勝のタイトルを獲得。2球団での最多勝は岩隈久志(近鉄、楽天)、セス・グライシンガー(ヤクルト、巨人)など、涌井を含めて7人いるが、3球団は史上初の快挙。セ・パに跨り、4球団目でも最多勝に輝けば、まさに唯一無二の投手記録となる。
中日では投手が打席に立つことになるが、バッティングにもセンスがあると、高木氏は言う。さらには、
「1年間働いたら、間違いなくゴールデングラブ賞、取るよ」
5度目の受賞も大いに可能性アリとしたのである。初のセ・リーグ野球で、どんな結果を残すことになるのか。
(所ひで/ユーチューブライター)