「もう時間だということなので、最後になりますけども、私の新曲がですね、9月の7日に出ております。杉本眞人の作曲で、昭和の匂いがする『カサブランカ浪漫』という曲でございます。ぜひお聴きになりたい方はお買い求め下さい。そして12月の28日に中条きよしラストディナーショーというのをやります。えー、今年最後のディナーショーではなくて、芸能界最後のディナーショーでございます。ぜひ機会がございましたら、また皆さん、76年間、いち国民として頑張ってまいりました。えー、とりあえずこれからは違うこのステージで頑張りたいと思っております。宜しくお願い致します。ありがとうございました」
これはどこかの歌手が、記者会見の場で話したものではない。なんと、11月15日の参議院文教科学委員会で、国会議員が言い放ったスピーチである。
国民の血税で開かれている委員会で、今年7月の参院選で比例当選した日本維新の会・中条きよし参院議員が新曲とディナーショーの宣伝をしたとあって、当然ながら、大騒動に発展したのである。これには政界関係者もアキレ返るばかりで、
「これまでタレント議員の情けない発言は数多くあったが、その中でもトップクラスのバカ発言だよ。自身は芸能人として最後の…という気持ちがあったのかもしれないけど、税金で賄われている大事な委員会で新曲とディナーショーの宣伝など、まともな常識人なら到底思いつかないこと。これは大勢から懲罰動議をすべき、という声が上がったし、議員辞職レベルという意見も少なくない。所属する日本維新の会の責任を問う声も、あとを絶たない」
ちなみに、問題のディナーショーのチケット料金は3万円。議員になってもそんな高額リサイタルを催す議員意識の希薄さにも、アキレ返る声は続々と…。
維新は慌てて、議事録からの発言削除を委員長に申し入れたが、こんな人物を議員にまつり上げた自分たちの見る目のなさに、頭を抱えているのではないか。
もはや「うそ」でした、だから「いろいろごめん」では済まない大放言。新曲のタイトルは、非常識の匂いがプンプンする「バカ」でいいのではないか。
(山田ここ)