新海誠氏が監督・脚本を担当するアニメーション映画「すずめの戸締まり」が、11月11日の公開から3日間で興行収入18億8421万5620円、動員133万1018人(全国420館)を記録したことが分かった。配給の東宝が14日、発表した。
同映画は、九州のとある町で暮らすヒロインの女子高生が、災いをもたらす「扉」を閉めることを使命とする「閉じ師」の青年と出会い、その災いの元となる扉を閉めていくという冒険物語。興収141億9000万円を記録した「天気の子」(19年公開)や、興収250億3000万円の「君の名は。」(16年)を超える公開3日間の成績を記録し、新海監督の作品史上最高のスタートを切った。
各映画サイトでは星5つや4つが大多数を占めており、評判の良さが伺える。ところが反面、思いのほか星1つも多く、評価は二分の様相を呈している。一体、なぜなのか。映画ライターが分析するには、
「東日本大震災をテーマに描いた物語であり、震災のシーンが登場することから、見ている途中で気分を悪くする人が続出しているようです。東宝では公開前から鑑賞予定の人へ向け、SNSなどで作中に地震の描写や緊急地震速報を受信した際の警報音が流れるシーンがあることを伝え、『ご鑑賞にあたりましては、予めご了承いただきますよう、お願い申し上げます』と丁寧に注意喚起している。それでもネタバレを気にして、なんの前情報も得ないまま鑑賞した人が動揺してしまうパターンが多いようです」
新海ファンの間からは「最高傑作」の声も相次いでいるが、くれぐれも災害描写への耐性を考慮して、映画館に足を運んだ方がいいだろう。
(ケン高田)