地元・松谷秀幸◎だが原田研太朗も差はない!
選手になる年齢制限がなくなり、遅れてきたアスリートの活躍が目立つようになった。
GIII「花月園メモリアルin川崎」(6月5日【木】~8日【日】)は、小田原と交互に開催され、今回が5回目になる。12日からは高松宮記念杯が行われるため、S級S班やS1上位選手は不在だけに実力は拮抗。番狂わせもあるシリーズになりそうだ。
昨年の小田原でGIII初優勝を飾り、2連覇がかかるのが地元の松谷秀幸。元プロ野球選手(ヤクルト)で、デビューから2年でS級入りしたのは、高い身体能力があるからだ。一貫して機動型として南関勢を引っ張ってきたが、最近はイン粘りもできるようになり、器用さが出てきた。ここのメンバーでは宮杯に出走する数少ない実力者の一人で、神奈川勢が多く、援護が期待できる。連覇を意識しているはずだ。
遠征の猪俣康一はマウンテンバイクで名を売り、競輪選手になったのは35歳だったが、やはり2年でS級入り。昨年末にはヤンググランプリの覇者になっている。4月高知記念を【2】【1】【3】●【8】(●は決勝レースの着順)と好走、強烈な先行力は松谷の強敵になる。
さて、並びと展開。南関は松谷─松坂英司─白戸淳太郎の地元トリオと、鈴木裕─和泉田喜一の千葉両者で別線になり、北日本は早坂秀悟─竹内智彦。西日本勢は猪俣─三谷政史の中近コンビ、原田研太朗─三ツ石康洋─池田憲昭の四国ライン、九州は松川高大─安東宏高か。他では西谷岳文が勝ち上がれば、中近は強力ラインになる。
早坂が先手を取っても猪俣が巻き返し、もがき合いもある。原田と松谷はまくりに勝負を賭ける。
本命は地元の利ある松谷だが、伊東共同通信社杯2日目から9連勝、ここ2場所連続完全Vと勢いに乗る原田も差はない。3番手評価は逃げ粘る猪俣と見た。
伏兵は三住博昭(神奈川・61期)、96期の城幸弘(山梨)と東龍之介(神奈川)の3選手。45歳の三住は負傷欠場から復帰後、低迷していたが、前走・別府記念【3】【8】【6】【2】と復活を感じさせた。地元戦なら予選は突破する。城は松阪記念2連対、別府記念も3日目1着と動きのよさが目立つ。そして3月松山記念を【3】【1】【2】●【8】(●は決勝レースの着順)と大健闘し、1着を量産中の東に地元ファンは期待している。96期のこの2人には、4日間、徹底先行で戦ってほしい。
◆プロフィール 山口健治(やまぐち・けんじ) 1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。
◆アサヒ芸能6/3発売(6/12号)より