ついに「進撃の中国」がその本性を現した。尖閣諸島沖で、中国の戦闘機が、自衛隊機にわずか30メートルまで“異常接近”するという暴挙が明らかになったのだ。いよいよ尖閣奪取に向けて、牙を剥いたハリボテ国家に、元航空幕僚長・田母神俊雄氏が鉄槌を下す!
「中国機の自衛隊機への接近は驚くべきことではありません。中国の狙いは、尖閣諸島を戦わずしてかすめ取ることです。それに対して、『不測の事態を回避するためにも、海上連絡メカニズムの早期の運用開始を目指して、中国側に働きかけていく』と小野寺五典防衛大臣が言ってますが、これは、日本は戦わないと宣言しているのと同じで、きわめてまずいことです。不測の事態とは、尖閣周辺で銃撃戦が起きることだと思いますが、不測の事態は起きてもしょうがないのです。それは現場を守る海上保安官や自衛官にとっては生命に関わる重大事態です。しかし、彼らが命をかけてくれるからこそ島が守れるのです。『不測の事態が起きたら大変だから、尖閣諸島に中国が来たら下がれ』となったら島は盗られてしまうのです」
こう語るのは、元航空幕僚長の田母神俊雄氏だ。田母神氏は、かねてから尖閣への中国の脅威を抑止するためにも早期の「集団的自衛権の解釈変更」を主張してきただけに、今回の中国戦闘機と自衛隊機のニアミスは「起きるべくして起きた」と中国のさらなる挑発行為に警戒感を強めている。
ここで騒動を振り返っておこう。5月24日の午前11時から正午頃にかけて、東シナ海の日本領空内を飛行中の自衛隊機2機に対し、中国軍のSU27戦闘機がわずか数十メートルまで異常接近。1機は50メートル、もう1機は30メートルまで近づいたという。いわば一触即発の状態であり、いつ戦闘が起きてもおかしくない不測の事態。小野寺防衛大臣も「常軌を逸した行動」と中国政府を批判した。
一方、当時、現場海域付近では中国とロシアの海軍が合同演習を行っており、今回の事態に中国政府は、「我々には防空識別圏に侵入した外国機に必要な識別・防衛措置を取る権利がある。日本の自衛隊機は東シナ海での軍事演習を偵察・妨害した。一切の責任は日本にある」と主張。尖閣諸島を巡る日中の緊張関係は、今や「開戦前夜」のような状況なのだ。
だが、田母神氏によれば、四方を海で囲まれた日本列島の領海では、冷戦時代からこうしたスクランブル(緊急発進)は、日常茶飯事だったという。
「かつて自衛隊機が旧ソ連機に対しスクランブル発進を続けていた頃、目の前でソ連機に出くわしたことは何度もあります。今回、中国機の接近で、『戦争になったら大変だから自衛隊機は下がれ』というような指示を防衛大臣や総理には出してほしくありません。もし、そのような指示が出るとしたら、情報戦で中国に敗れているのです。ここで引き下がってしまっては中国の思うつぼでしょう」
中国の挑発にひるんでは、あくなき領土への野心を止めることはできない、というのだ。
◆アサヒ芸能6/3発売(6/12号)より