このところ、ワイドショーでよく見る顔がある。それが、トラウデン直美だ。ドイツ人の父親と日本人の母親を持ち、慶應義塾大学法学部卒で身長170センチ。『CanCam』のモデルでもある。そんな才女は「めざまし8」(フジテレビ系)でコメンテーターを務めている。だが、評判はあまり良くない。
11月16日放送の同番組では、 子どもの権利のために大きく貢献した若者に贈られる「国際子ども平和賞」についてのニュースが紹介された。過去にはノーベル平和賞を受賞した人権活動家のマララ・ユスフザイさんや、スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさんなどが受賞している権威ある賞だ。
これを日本人として初めて受賞したのが、17歳の高校生、川崎レナさんだった。14歳の時に自らNGO団体を立ち上げ、子どもと政治家がオンラインでやり取りできる仕組みを作るなど、若者の政治や社会参加を促す活動をしている。
そんな彼女は14日、オランダ・ハーグで開かれた壇上で、日本の政治家による差別発言や議会中の居眠りといった実態を語り、そうした政治家ばかりだと日本が変わることはないと、海外の人々に向けて訴えかけていた。
これについてトラウデンは、スタジオで次のようにコメントしたのである。以下、非常に読み難いかもしれないが、彼女が語った言葉を忠実に再現した。
「本当に彼女がスピーチでおっしゃったことが、本当に若い人たちが感じていることだと思いますが、こういうふうに世界のステージでスピーチをできる。そして自分の住んでいる国に誇りに思いたいじゃないですか。でも、そこに対して問題提起をして私たちの国は今こうなんです。今、未来に生きるためにこんなふうに変わってほしいというのを世界の舞台で言えるのは超カッコイイと思います」
「しかも彼女のこの姿といいますか、すごく世界を変えようとしているのに、という言い方はおかしいですが、しかしながら自分自身もいでたちとしてすごくカッコイイというのは同じ世代にすごく力をもたらすと思います。こういうふうにカッコイイ姿で世界に対して発信していけるというのは私たち、同じ世代に対して凄く勇気をくれます。本当に素晴らしい方だと 思います」。
この間、約1分。お世辞にも簡潔で的を射た説得力のあるコメントとは言い難いが、案の定、視聴者からは、《トラウデン直美、語彙力のなさというかコメントが頭悪そう。こんな番組出るならはっきりまとめて喋れよってなる》《トラウデンさんの話はいつもまとまりがなくて、長いんだよなあ》《字数だけ稼ぎたい読書感想文みたいで気持ち悪い》といった批判の声が殺到した。
彼女のコメンテーターとしての資質が問われているのだが、番組はなぜ彼女を起用するのか。
「外国人を親に持つタレントというと、ローラを始めとして滝沢カレン、ダレノガレ明美など、どちらかというと『おバカ枠』が多かった。しかしトラウデンは慶應出身ということで『知性派枠』。トリンドル玲奈も実は慶應なのですが、それまでのキャラの売り出し方を見誤ったせいもあり、知性のあるイメージを保つことはできない。その点、トラウデンはなんだかわからないが賢そう、ということで起用された。が、薄っぺらさがここにて露呈してきたということでしょう」(芸能ライター)
コメンテーターにも様々な人がいて大いに結構だが、彼女が、求められているコメンテーター像に合致しているかと言えばはなはだ疑問、と考える視聴者は少なくないのである。
(魚住新司)