トーク番組が増え、現在はある種のお笑いブーム。バラエティー番組で活躍する女性芸人の数も明らかに増えている。厳しいコンプライアンスが求められる中、ひと昔前のような容姿イジりもすっかり消え、女性芸人がテレビに求められる役割も大きく変わった。
指原や若槻といったひな壇タレントの親友も多く、準レギュラーも含めれば実に9本のレギュラー番組を抱えるフワちゃん(年齢は非公表)。そんな彼女をまさに“ザ・テレビタレント”と評するのが最近共演したばかりの芸人・ユリオカ超特Q氏だ。
「人気YouTuberからテレビの世界に来ましたが、今活躍している誰よりもテレビタレントっぽい。『この人はタメ口』『この人にはさんづけ』『この人は思い切りツッコんでいい』など、場の空気を読んで絶妙に使い分け、バランスを取っている。見た目がハデなので目立ちますけど、意外と踏み込みすぎるところもない。それが出演者やスタッフから愛される理由だと思います」
バランス力という点で、ユリオカ氏が最も優秀とナットクするのがオアシズの大久保佳代子(51)だ。
「もともと下ネタキャラでブレイクしましたが、今や『ゴゴスマ』(TBS系)や『ノンストップ!』(フジテレビ系)など、主婦層が見る番組でも活躍しています。普通は下ネタのイメージがあると女性視聴者から敬遠されますから、これはけっこう、すごいこと。恐らくOLを長く経験した庶民感覚がベースにあるんでしょう。そういう部分が女性の共感を呼んでいるのだと思います」
そんな大久保とハリセンボン・近藤春菜(39)は、18年、女性週刊誌で確執が報じられている。放送作家が振り返る。
「大久保さんといとうあさこさん(52)は近所に住んでいて飲み友達。他の芸人を交えて飲むことも多いんですが、近藤さんは『春菜会』と称して女優との付き合いが多く、芸人同士の飲み会に参加しない。それを大久保さんがよく思っていない、という内容でした」
しかし、かつての事務所の後輩であり「今でも会えば大久保さんは気さくに話しかけてくれる」というユリオカ氏は、この報道について否定的だ。
「いい意味で、大久保さんはそこまで他人に関心がない。いとうさんも小学校から高校まで『雙葉』に通っていたお嬢様で、ベースが上品。2人ともそんなにガツガツと芸能界でのし上がっていこうというタイプではありません。だから2人は気が合うんでしょうし、その程度のことで確執が生まれるとも思えません」
相関図を見てもわかるように、みんな仲よし同士。その背景には、女性芸人のポジションが大きく変わったことがあるという。
「昔は本当に大変だったと思います。多くの男性芸人に交じって女性芸人の出演枠は1組程度。そこで『ブス』だの『デブ』だの容姿イジりをされ、少しずつ知名度を上げていった。ハリセンボンの2人もそんなふうに出てきたコンビです。そんな狭い枠を大人数で競っていたので『あいつには負けない』『蹴落としてやろう』など、ギスギスした雰囲気も出てくる。ですが今は、そういう話をほとんど聞きませんね」(ユリオカ氏)
若手に目を移せば、3時のヒロインやぼる塾、ヒコロヒー(33)なども仲がよく、共演も多い。
「まだブレイクする前、ヒコロヒーには僕のライブに何度も出てもらいましたが、まさかこんなに売れるとは(苦笑)。ネタの世界観がしっかりしていて友近(49)に通じる部分があると思っていましたが、ネタがおもしろいからといってテレビタレントとして成功するわけじゃない。ちょっと昭和感があり、フワちゃんとは違う路線で、もう少し大きくなる可能性はあると思います。幸が薄そうに見えるところがいいですよね」(ユリオカ氏)
バラドル、モデル、お笑いのいずれにしても、いかに女性視聴者に受け入れられるかが、今のテレビで成功する秘訣なのだ。