11月28日放送の「クレイジージャーニー」(TBS系)で、南米アンデス地方の現住民が料理を作るために、飼育するモルモットの解体シーンを放送した。これが視聴者の間で物議を醸しているのだ。
現地の女性はモルモットの頭と足を両手でつかむと、背骨を反らすように折り、一瞬で昇天させた。番組に出演した「アマゾンの料理人」として知られている太田哲雄シェフは、
「すごい神聖なものなので。それくらい食べ物に対して、この人たちはリスペクトしてる」
と説明したが「トラウマのレベル」との苦情が沸き起こった。
一方で「大騒ぎしすぎ」との指摘も出ているが、放送担当記者は、ある番組を引き合いに出して、
「テレビ東京で17年から不定期で放送されている『ハイパー ハードボイルド グルメリポート』などは、衝撃の強さで言えば『クレイジー』の比ではありません。同番組は『食べる=生きる』をコンセプトに世界各地の危険な場所を取材し、そこに住む人々の生活と『飯』を密着する内容。過去にはフィリピンのスラム街で売られている、残飯を揚げたフライドチキンや、マニラ郊外では廃材の炭で焼いた、命が縮むというハンバーガーを紹介しました。日本では考えられない、海外の食の実態を伝えているのです。どの回もディレクターが体を張った緊張感溢れる放送内容で、モルモット料理など、鼻で笑うレベルでしょう」
最近はコンプライアンスを気にするあまり、少しでもお茶の間にそぐわないシーンは自主規制でカットされてしまう風潮にある。
「そんな中でモルモット料理はかなりチャレンジしたと言えますが、やはり批判が出るのが実情。『ハイパー』は17年と19年にギャラクシー賞を獲得し、有吉弘行もファンと公言するなど、特に業界ウケがいい。とはいえ、作り手側と視聴者の温度差は開くばかりです」(テレビ関係者)
テレビがつまらなくなる原因は、ここにもあったのだ。
(ケン高田)