自ら資料を出せば出すほどボロが出ている小保方晴子さん(30)。実験用ネズミの購入記録から実験を行っていなかった疑惑まで飛び出したのだ。科学ライターが語る。
「理研が意地になって集中砲火を浴びせています。ついには、理研入所時の提出書類へのコピペまで明らかになりました。提出期限を過ぎて応募したにも関わらず、審査手続きの一部を省略するなど、特別待遇だったこともわかってきました」
当時、理研はそんな彼女の論文をみて「英語力が非常に高い」と判断していたという。最初から最後までコピペとコネに頼った彼女だが、現在もっとも恐れられているのは、「小保方さん」が量産されている事実だ。
「一連の騒動のせいで、彼女の大学院の研究室の卒業生たちにも多くのコピペが発見されました。今回のことは小保方さんが問題になったことで明らかになっただけです。インターネットと画像加工ソフトが論文に導入されて以降、コピペ、画像の捏造などは日常茶飯事に行われていたのです」(前出・科学ライター)
特に、そうした不正が多く行われていたのが、彼女のいた「発生学」系の研究だった。iPS細胞の山中伸弥教授の成功例でも明らかなように、この分野には多くの予算が投下されている。日々華々しい論文が提出される分野なのだが、実情はお寒いという。ある生物学者が語る。
「STAP細胞でも再現実験が成功しない状態が続いています。実は、この分野では論文の再現実験の成功率が1割程度なのです。つまり、残りの9割の論文は本当なんだかウソなんだかわからない。というのは、細胞などを育てる条件がシビアで、論文を再現するにはかなりのスキルが必要となるからです。山中先生の場合、まったく別なチームにiPS細胞を実験させ再現を確認してから提出しました。しかし、こうした手間がどの研究所でも可能なわけではないのです」
できるかできないかわからないからこそ、不正論文を見ぬくことができない。ゆえに、不正論文を作りやすいのが現状だというのだ。現在のところ、研究室には実験のスキルの高いスペシャリストが最も求められているという。そこで登場した新兵器こそ、「実験ロボット」なのだ。
「実験ロボットはかなり正確に論文の実験を再現できます。その再現成功率は実に9割以上です。だから論文を提出する前にロボットで再現実験を行えば、論文そのものがウソなのか本当なのか事前にチェックできます」(前出・生物学者)
夢のロボットはすでに一部研究所に装備されているという。今後10年でほとんどの研究室にいきわたるとされている。対「小保方さん」兵器のような機械で、論文の捏造などを駆逐できると期待されているのだ。