女子力に満ちたポエムノートを公表した小保方晴子さん(30)。5月8日に、理研調査委員会が、再調査をしないことが決定し、ついに「不正」が確定した。この問題が、世間の話題となった構造を科学ライターが解説する。
「科学界は科学のルールにのっとって裁きました。一方の小保方さん側は、科学の世界に情を持ち込んだ。だから、科学知識がある人は彼女を否定し、ない人は擁護していた」
しかし、「STAP細胞はありまぁす」と言っても、ノートはなかった。調査委員会としては調査する材料がないので5分でアウトの判定をしても良かったというのが、多くの科学者の見方である。反論しようとすればするほど墓穴を掘る小保方さんだが、その捏造方法までパクったのではないかと言われているのだ。
「00年から01年にかけて、当時ベル研究所にいたシェーンという科学者の『シェーン事件』がそれです。彼は、世界最高峰と言われたアメリカの『ベル研究所』に所属し、一時はノーベル賞の受賞も確実と言われていました」(前出・科学部記者)
シェーンが注目を集めていたのは30歳、同じ年齢で国内最高レベルの理研に所属した小保方さんとは驚くほど酷似しているのだ。そして、捏造の発覚もまた良く似ているのだ。
「シェーンもデータの切り貼りと使い回しが指摘され、『誤って同一のグラフを出した』と主張しました。研究ノートに記載が一切なく、コンピューターからもファイルが消去され、実験サンプルも提出されませんでした」(前出・科学ライター)
もっとも、シェーンの言い訳は小保方さんよりもはるかにダイナミックで、「サンプル保管をした冷蔵庫が爆発した」「サンプルを積んでいたコンテナが海に沈んだ」というものだった。
「もちろん再現実験は、シェーンがいないところでは、ことごとく失敗。それでもシェーンは実験に特殊なコツがいると主張したところもそっくりです。小保方さんのことが明らかになるにつれ、『シェーン事件をコピペしたのでは』と言われていました」(前出・科学部記者)
事件後、表舞台から姿を消したシェーンは科学者として廃業、地元企業で働いていることが確認されている。一方の小保方さんは、ポエムノートを公表したことで海外から来ていたというオファーも消滅し、お先真っ暗だという。シェーン事件をきっかけに、ベル研究所は閉鎖となった。唯一コピーできなかったのは、理研閉鎖だけのようだ。