12月13日、有明アリーナで行われたボクシング世界バンタム級王座統一戦。WBA・WBC・IBF統一王者の井上尚弥が、WBO王者のポール・バトラーを11回1分9秒KOで沈め、アジア人初の4団体制覇を達成した。
この戦いを会場で観戦していた元キックボクサーの魔娑斗が、翌14日にYouTubeチャンネル〈魔娑斗チャンネル〉を更新すると、井上を称えて、
「終始、1ラウンドから全ラウンド、井上選手ですね。取られたラウンドゼロ。全員のジャッジが10対9だと思うよ」
対するバトラーはガードを固めて逃げに徹していたとし、「何しに来たんだ」というヤジが客席から聞こえたという。
だがこれに対し、魔娑斗は次のような持論を展開した。もし「逃げすぎだ、もっと前に出ろ」との指摘があったなら、バトラーは「じゃあ、お前やってみろ。手が出せないの、分かるよ」と言い返してくるだろう、と。それだけ井上の技術と圧力が圧倒的だったと言いたいのだ。
かつて「若きカリスマ」と呼ばれ、55勝(25KO)6敗3分の戦績を誇った魔娑斗は、現役時代がふと蘇ったようで、
「オレも選手の頃さ、お金持ちのおじさんからさ、『若いっていいな~』って言われた。悠々自適の生活であなたの方がいいじゃない、って思ってたんだけどさ、あらためて若いっていいなあ~って思っちゃった。疼くね。若かったら明日、気合入れて練習しちゃうんだろうな。オレも戦いてえなぁって思うんだろうな、って」
引退した選手をも、かように刺激する一戦だったのである。
(所ひで/ユーチューブライター)