芸能

スザンヌの好感度と仕事を急増させた「絶対に夫を責めない」離婚劇/壮絶「芸能スキャンダル会見」秘史

 昔から「子はかすがい」と言われるが、この夫婦の場合、どうもそうはいかなかったようだ。

 おバカタレントとして人気だったスザンヌが、元ソフトバンク投手で野球評論家の斉藤和巳氏との離婚を発表し、記者会見に臨んだのは、15年3月18日である。

 2人は11年12月、周囲の反対を押し切って結婚。スザンヌは08年以降、肩の故障で登板できなかった夫を支えるため、ソフトバンクの本拠地・福岡に引っ越した。前年1月には第一子となる男児が誕生し、自身のブログに家族3人のショットを掲載するなど、幸せな生活をアピールしていた。

 ところがほどなくすると、ブログから夫の姿が消えたことで、2人の間に不協和音が噂されるように。そんな中、「女性セブン」が、2人が15年3月16日に、正式離婚していたことをキャッチ。しかもその原因が、斉藤氏と女子プロゴルファー・上田桃子とのただならぬ関係にあった、との内容が掲載されることを受け、同誌発売(19日)前日、急遽、スザンヌが単独で会見を開くことになったのである。

 会見の冒頭、離婚を切り出したのは斉藤氏だとして、

「昨年の夏頃から話し合いをしていて、年末を一緒に過ごすことができない、という結論が出ました」

 と、神妙な面持ちで報告すると、唇をかみしめながら次のように語った。

「些細な喧嘩もあったけれど、私は戻る気でいました。だからこういう形になってしまって、本当にビックリしてしまって…。夫婦にはなれたけど、家族にはなれていなかったのかなと思います」

 そして、夫の不貞疑惑に質問が及ぶと、複雑な思いが一気に噴き出したのだろう。

「それは、私にはわからないこと。本当のことはわからないけど、結婚生活の間にそういうことはなかったと信じたい」

 ただ、会見中に「一生懸命、子供を可愛がってくれた」「いろんなことを我慢していたんだと思う」「私が至らなかった」と終始一貫、夫を責める言葉が出なかったことで、好感度は急上昇。その後、仕事が増えることになるのだから、わからないものだ。

 一方、元夫への風当たりは散々で、離婚を発表した17日のブログは大炎上。俎上に載った上田も「スザンヌを泣かせた女」として、強烈なアゲンストの風を一身に受ける結果になったのである。

 結婚にせよ離婚にせよ、ブログにサラリと数行綴って済ませることもできる現代で、あえて記者会見を開き、涙しながらも元夫への恨み言ひとつ口にしなかったスザンヌ。そんな彼女の姿勢に同情が集まる、まさに夫婦の明暗を分けた記者会見になったのである。

(山川敦司)

1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。

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