今年は3年ぶりに規制がない年末年始で旅行や田舎に帰省する人も多いだろう。だが、カレンダー上で元日は日曜日のため、正月休みは4日までという企業が多いようだ。
そんな中、「正月? そんなもん、仕事ですよ」と語る人達がいる。正月休みを返上して、激務に明け暮れる…。都内在住の通信機器メーカーにSEとして勤務する男性(34歳)も、そのひとりだ。
「コロナ禍による大量の派遣切り、さらに残った派遣社員同士が感染防止対策で在宅ワークになったため、現場を任されるのは自分だけになりました。以前は在宅ワークをしていたこともありますが、コンプライアンス上、会社のPCを外に持ち出してはいけなくなったため、出社することになったんです。正月は特に商品の問い合わせが多いため、出社しないと。大晦日から三が日まで出勤が決まっており、休みのメドは立っていません」
この男性は会社からほど近いホテルに泊まり、夜中でもすぐに呼び出しがあってもいいようにと、待機を余儀なくされている。
続いて話を聞いたのは、関西在住のスナック嬢(25歳)だ。
「大晦日は夜10時まで営業、その後にお客さん達と初詣に行く予定です。元日は日曜日なので定休日ですが、2日から営業します。なぜ正月でも営業をするのかというと、独り身のお客さんが多いから。休みにしても結局、お客さんから電話がかかってきて飲みに行くので、それならいっそ営業してしまおう、というママの判断ですね」
彼女が働くような地域密着型のスナックに正月休みなし…というケースは少なくない。だが意外にもこれが盛況で、毎年、満席だという。正月営業のスナックは、独り身の男を癒やしてくれる唯一の場所なのかもしれない。