1月12日に放送された「プレバト!!」(TBS系)で、年4回の俳句のタイトル戦のひとつである「冬麗戦」が行われ、女優の森迫永依が初優勝を飾った。
このタイトル戦は、昨年1年間、番組で詠まれた全330句の中から、俳人の夏井いつき氏が選んだ優秀な15句を生んだ15人のみが出場できる。永世名人の梅沢富美男とお笑いコンビ「フルーツポンチ」の村上健志など、並みいるツワモノが並んだが、
「過去の番組出場わずか3回で、まだ特待生にもなっていない森迫が出てくるだけでも驚きですが、一気にタイトルホルダーに名を連ねたのは快挙と言うほかありません」(テレビ誌記者)
今タイトル戦のお題は「ラッキー」。永世名人の村上と梅沢がそれぞれ10位、9位と下位に沈み、無段の本上まなみが2位に躍進するという波乱の中、トップに立ったのは、同じく無段の森迫。司会の浜田雅功から名前を呼ばれた瞬間、森迫は「無理、無理、無理」と声にならない声を上げて涙顔に。
そんな森迫が詠んだ句は「初富士は青しケサランパサラン来(く)」。ケサランパサランとは、タンポポの綿毛やウサギの尻尾のような白くふわふわとした外見の、民間伝承上の謎の生物。森迫の勝利の弁は、次のようなものだった。
「私にとってのラッキーって何だろうって考えたら、真っ先にきたのはケサランパサランってもの。空中にたまに浮いてるんですけど、小さい頃から見つけると『あ、ラッキー』って思っていたんです。(そうした)ありがたいモノがあったら映えると思って」
「森迫さんが優勝して出演者一同驚きの表情を浮かべたとき、ひとり納得顔だったのが梅沢さんでした。『私がオープニングでなんと言ったか覚えてますか。俳句の申し子ですよ。このケサランパサランをよく出してきた。たいしたもんだ。私の後はこの娘ですよ』とドヤ顔で絶賛したのが印象的でした」(前出・テレビ誌ライター)
夏井氏も、もろ手を挙げて賛辞を全開にする。
「新年の感慨というものを、青という色に託した。初富士の空の青さ、雪の青白さ、新年の空気の青さ、色んな青のイメージの濃淡を前半に描いておいて、後ろに長いケサランパサランが出てくる。作品としてみた時、このケサランパサランと初富士を合わせる勇気。これはなかなかできない」
前出のテレビ誌記者も同意して、
「出場回数の少ない森迫さんですが、優勝は決してフロックではありません。タイトル戦出場を決めた句も『いちじくを運ぶ掛け声朝の鐘』と、初心者が詠むレベルのものではなかった。9歳の時に実写版ドラマ『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ系)に主演して名を売り、その後、上智大学を卒業。英語も堪能な才媛ですので、今後はコンスタントに番組出場を重ねれば、名人まで一気に上ってくる可能性が高いのでは」
新たな文学スター女優の誕生である。
(石見剣)