デヴィ夫人が森喜朗元総理と鈴木宗男参院議員をツイッターで「老害」とコキ下ろし。森氏が1月25日に「日印協会」の式典でスピーチし「(岸田政権のウクライナ寄りの立場に)日本はこんなにウクライナに力入れちゃっていいのかな。ロシアが負けるということは、まず考えられない」などと、反ロシアの態度では、日本は困ることになると、警告めいた発言をしたためだ。これに鈴木氏も同調すると、デヴィ夫人が吠えた。
いわく、「森元首相と鈴木宗男は老害以外の何者でもない」「世界情勢を知らない者達が巣食うから日本は遅れを取るのだ」などと、ロシアにパイプを持つ2人に猛然と噛みついたのである。
デヴィ夫人が代表を務める財団は、在日ウクライナ大使館に届けられた日本国内のウクライナへの支援物資を現地に送る協力をしている。
ロシアのウクライナ侵攻が続く中、今冬はロシアの徹底した電源破壊攻撃により、ウクライナでは多くの市民が暖を取れない状況にある。通常ルートではウクライナに物質が届くのは2月下旬になることから「一刻も早く届けたい」と、デヴィ夫人は自ら現地に足を運んでいる。テレビ関係者が言う。
「デヴィ夫人は使い捨てカイロやヒートテックの上下、コンロやオムツ、負傷兵のための止血帯などをスーツケースに詰め、危険をかえりみず、首都キーウに自ら持参したのです。この電撃訪問に、日本政府も慌てて退去を呼びかけたほどでした」
そこで飛び出した森氏の放言。デヴィ夫人の「老害」ツイートには、2月1日時点で9万以上の「いいね」が寄せられた。森氏に同調する鈴木氏は1月30日、デヴィ夫人発言についての見解を求められると、
「デヴィさんにそっくりノシをつけて、あなたが老害じゃないですか、と言いたい。文句があるなら言ってこい」
売られたケンカはいつでも買う構えを見せたのだ。
国際NPO関係者が本音を明かす。
「森さんの発言は、国を率いる側に立ち、国益を考えてのものだろうが、単に損得だけの発言であったとすれば、なんともやりきれない。一方のデヴィ夫人の行動は危険極まるが、安全神話もモラルも砂漠化しつつある中、その行動や発言にホッとする面もある。ただ、森さんもデヴィ夫人も、ともに80代。第二次世界大戦を経た戦争の苦しみを知る世代にも温度差はあるようだが、日本国内での舌戦は不毛でしかない」
落としどころはあるのか。
(田村建光)