プロ野球日本シリーズにおける「歴史的事件」のひとつに、中日ドラゴンズの「完全試合直前の投手交代」がある。落合博満監督が指揮を執った07年、日本ハムとの第5戦だ。
3勝1敗で迎えた、その第5戦。8回までパーフェクトピッチングを続けていた山井大介を交代させ、9回は守護神・岩瀬仁紀がマウンドに上がる。結果、これがパーフェクト継投となり、1対0で勝利。中日にとって2度目となる、53年振りの日本一に輝いたのである。
とはいえ「なぜ山井に完全試合をさせなかったのか」と、非情とも思えるオレ流采配に批判が相次いだのは、野球ファンなら記憶にあることだろう。実は4回頃から山井の指には血マメができており、山井の申告により岩瀬に交代したことが、のちに明らかになっている。
YouTubeチャンネル〈【公式】落合博満氏のオレ流チャンネル〉で、落合氏はこう振り返った。
「あの状況で9回3人で抑えた岩瀬をなぜ絶賛しないのかな、っていうね。いちばんプレッシャーかかってるところだよ」
そして、こうも付け加えた。
「オレの中では8年間で、なんで8回優勝できなかったかってのが心残りだよ」
中日は落合時代の07年以降、日本一から遠ざかっている。
(所ひで/ユーチューブライター)