元プロ野球選手、落合博満氏といえば、ロッテオリオンズ時代に記録したNPB史上唯一となる3度の三冠王を達成するなど、数多くの偉業に注目が集まるが、2004年から11年まで披露した中日ドラゴンズでの監督としての手腕も特筆すべきものがあった。
8年間で4度のリーグ優勝、すべての年でAクラス入りも果たす好成績を残し、メディアに対して口数が少なくサービスが足りないといった批判を受けると、「勝てばファンはついてくる」と「オレ流」を貫いた人物でもあった。
そんな落合氏が監督に就任する年、一軍投手コーチに招かれた元プロ野球選手の森繁和氏が、落合氏は誘い方も「オレ流」だったと笑いを交えて明かす番組があった。
元プロ野球選手、石毛宏典のYouTubeチャンネル〈石毛宏典TV〉、1月17日に〈【三冠王】落合博満との出会い。キケンすぎたニカラグアでの国際大会【森繁和#2】〉とタイトルされた投稿回がそれだ。
森氏が横浜ベイスターズの一軍投手コーチを離れたタイミングで受けた電話で、「じゃあオレを手伝え」こう落合氏は勧誘。「何をやればいいんですか?」と訊ねた森氏に、「オレを手伝え。『うん』て言えばいいさ」と落合氏は一方的。落合氏を信頼して了承すると、そのまま電話を切ったのだという。
すると翌日、落合氏が中日の監督に就任したことを発表した新聞で、コトのいっさいを把握した森氏。それ以上に、落合氏のはからいもあろう、契約金や年俸など待遇面の高さに驚いたと振り返ったのだった。
すべてを託してくれれば悪いようにはしない─そんな落合氏の言葉が聞こえてきそうな、粋な「オレ流」エピソードだった。
(ユーチューブライター・所ひで)