先日、テレビを見ていて、ふと「また口が禍の元にならなきゃいいけど」と思ってしまったのが、お笑いタレント・狩野英孝が「女遊び」について語った持論である。
それは2月5日に放送された「ドーナツトーク」(TBS系)。ゲスト出演した狩野は「どうして男性は女遊びを隠すことができないのか」との問いに「僕の場合は隠しているつもりだけど、全部バレちゃった」としたものの、「治ります、マジで。完治するんですよ」。
その方法というのが相手に対する責任感で「責任をどんどん感じてくる。リスクとかなくても俺はもうやらないですけど。完治ですよ」と力説。さらには「女性も優しく。(心移りが)確定しているわけじゃないんだから、ソフトに入ってくれれば、こっちもノレる」と訴えたのである。
確かに狩野の言うことは正しい。だが、かつて歌手の川本真琴やタレントの加藤紗里などとの「六股疑惑」が発覚。17年には18歳未満の女性との「深い関係」が取り沙汰され、68分間にわたって汗だくで釈明に追われる記者会見を取材した筆者としては、むろん番組を面白くするためのシャレだろうが、なんだかなぁ~という思いがぬぐえないトークだった。
狩野と17歳の女子高生との関係を報じた「FRIDAY」よれば、女性は当時、地下アイドルをしており、22歳だと聞いていたようだが、記者会見で語ったところによれば、年齢に気付いたのは「野生の勘」なのだと。
そして「彼女とは付き合っていた」と言ったかと思えば「恋人と言える関係ではない」としてみたり、「彼女に対しては恋愛感情はありましたが、肉体関係について言うのはちょっと…」としどろもどろになるなど、首をかしげたくなる場面も多々あった。
結局、狩野はこの謝罪会見を境に、無期限謹慎処分となったわけだが、テレビ関係者は筆者の取材に、こう言って吐き捨てたものだ。
「六股疑惑の際も、スポンサーへの説明や謝罪で大わらわでしたからね。ま、全然反省していなかったということなんでしょうね。ただ、今回の場合は、相手側と和解が成立していることだけが救いでした。それがなかったら、立件される可能性があったかもしれない。女性に優しいのは結構ですが、口は禍の元ということを忘れないでほしいですね」
会見中、吹き出す汗を拭いつつ「いや、これはあぶら汗、冷や汗、いろんなものが混じっています」と発言、記者たちの失笑を買った狩野。先日の番組での主張通り、今後も責任ある言動に徹してほしい。
(山川敦司)
1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。