「かなり難しくなると思います。(次の大会での)世界一は」
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一に返り咲いた侍ジャパンには、早くも26年に開催が予定される第6回のWBCでの連覇に期待が高まる。だが、冒頭のようなシビアな見解を口にしたのは、野球解説者の江川卓氏だ。
YouTubeチャンネル〈江川卓のたかされ【江川卓 公式チャンネル】〉でのことで、今大会に敗れた他国の今後の「力の入れよう」について江川氏は予測したのだ。
江川氏の持論に触れる前に、まずはWBCの過去の大会を、野球ライターが振り返る。
「第1回、第2回と連覇した日本ですが、第3回はドミニカ共和国、第4回はアメリカに優勝を阻まれました。これまで16チームだった本選の出場国が、第5回から20チームに増えたこともあり、今後のさらなる激戦は必至です」
そんな状況の中、今回の日本の驚異的とも言える強さが、逆にアダとなると江川氏は言うのだ。
「(日本がWBCで優勝できないのは)なぜかというと、この(日本の)レベルを向こうが見たんで、相当なメンバーの強化があると思います」
他国の本気度がより一層増すため、連覇は至難の業になると言うのである。
一方、そんな他国のやる気アップ以上の「難敵」がある、と語るのは別の野球ライターだ。
「WBCの莫大な放映権料は、次回はさらに跳ね上がることでしょう。3月16日夜にテレビ朝日系で放送された準々決勝の対イタリア戦の世帯視聴率は48.0%もの高視聴率を記録したと話題になりましたが、今後、地上波の放送局では『暴騰する放映権料が払えない』とならないとも限りません。次大会の地上波放送がゼロになる可能性もあるのです。今大会はアマゾンプライムで視聴した方も多かったようですが、年配者はまだまだテレビ信者が多い。お金を払ってまでコンテンツや配信を見たくないとかたくなになれば、侍ジャパンを応援する人も減少してしまいます」
確かに応援は侍戦士の原動力でもある。江川氏の不気味な予測も大いに気になる。だが、今大会の活躍のように、そんな不安を一掃してくれるのがまた、侍ジャパンの底力ではないか。
(所ひで/ユーチューブライター)