「一生、帰国しない覚悟ができた」
参院議員から一転して逃亡犯となったガーシー(本名=東谷義和)容疑者が、そんな決意を動画配信で発信してから、1週間が経過した頃のことだ。
「ガーシー容疑者がアフリカ某国の国籍を買った」
という情報が飛び交い、報道陣が確認に追われたのだ。知ってのとおり、警視庁が暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)の疑いで逮捕状を取るや、政府が旅券返納命令を発出。4月13日にもガーシー容疑者のパスポートが失効する。
このままでは、逃亡先とされるUAEのドバイには不法滞在となり、かつ他国への移動もままならない。ICPO(国際刑事警察機構)に国際手配され、仮に追手が迫ってきても、逃げ切れないことに…。社会部記者が言う。
「国際手配といっても、不法滞在で身柄を拘束するかどうかは、UAEしだい。もとより10年間も有効なゴールデンビザを持っているとされており、ガーシー容疑者に逃げる気はなさそうです。結果的に国籍購入の噂はガゼだった、との結論で終わりました」
ここでふと疑問に思うのが、そもそも国籍は買えるものなのか、ということだ。外国人が日本国籍を取得するには在留期間や素行良好などの各種条件が付き、金で手に入れることはできそうにない。ところが、だ。国籍購入は可能だと、経済ジャーナリストが解説する。
「多重国籍を認める国家の中には、金を積めば国籍を与えるところがあります。実際に国籍市場が存在し、ビザなしで渡航できる国が多いほど、優良国籍となって高値が付きます。世界を股にかけて働くビジネスマンは自由に他国に行ける方が商機も増えるので、もうひとつの優良国籍を欲しがります。アラブや中国の富裕層などは第2、第3の国籍を求めて買い漁っていますよ」
中でも人気なのは、地中海の小国、マルタ国籍だという。とはいえ、マルタ政府に支払う金額など諸々を含めて、総額約1億5000万円と莫大なものになる。
ガーシー容疑者が写真週刊誌「FLASH」(4月11日号)のインタビューで「そもそもパスポートって、金を出せば合法的に買えますよ」と答えている。果たして、一生逃亡を続けるにあたって、国籍を購入することがあるのだろうか。