そんな巨人とは別次元の補強に動いたのがDeNA。3月14日に20年のサイ・ヤング賞投手のバウアー(32)獲得を発表したのだ。
「まさに“黒船”の再来ですよ。平均球速151キロのストレートは回転数が豊富。球速表示以上に伸びのあるボールで、ポップフライを量産するでしょう。スライダーとカーブのコンビネーションによる奪三振にも期待できる。1年間ローテーションをフルで回れば14勝ぐらいは固い数字です」(友成氏)
しかしながら、輝かしい前評判ばかりではない。マイナス面も見て見ぬふりはできないだろう。
在米スポーツライターが言う。
「21年にドジャースと3年107億円の超大型契約を結びましたが、同年5月に『性行為中に暴行を受けた』と女性から訴えられていたことが発覚した。その告発内容は『意識を失っている間に顔を何回も殴られた』など“ハード”なプレイばかりです。同年6月に一連の性的暴行疑惑を調査するMLB機構から休職勧告が出されてしまいました」
そのまま21年シーズンの後半を棒に振り、22年4月にはDV規定違反により2シーズンに相当する324試合の出場停止処分が科せられた。同年12月にバウアー側の異議申し立ての調停により194試合の処分に短縮されたが、23年1月にドジャースから追放処分が下されたのだ。
「約30億円の年俸はドジャース負担になるため、他のMLB球団は最低年俸の1億円弱で獲得できましたが、素行の悪さを問題視してどこも手を挙げなかった。唯一、獲得に前向きだったのがDeNAでした。WBC決勝で先発した今永昇太(29)に今オフのポスティングでのメジャー移籍が浮上している。そのため、球団フロントは『今年が優勝するラストチャンス』と、南場智子オーナー(60)に獲得を訴えたといいます」(スポーツ紙デスク)
当然ながら、南場オーナーは“前科者”に二の足を踏んだという。
「昨オフにロッテからソフトバンクに移籍したオスナ(28)を引き合いに出して説得したそうです。オスナも恋人に暴力を振るい、出場停止処分を受けた過去がありますが、日本球界に移籍して同様のトラブルは確認されていない。球団が公私にわたって監視する体制を敷く方針のようですよ。そうは言っても、気の優しい三浦大輔監督(49)がバウアーの首に鈴を付けられるかどうか‥‥」(スポーツ紙デスク)
選手起用に不安を抱えているのは阪神の岡田彰布監督(65)とて同じこと。主力の大山悠輔(28)と佐藤輝明(24)のスロースターターぶりが目に余るからだ。
「オープン戦の打率は大山が1割6分、佐藤が2割8厘。本塁打は大山、佐藤ともにわずか1本のみです。ただし、2人が低迷する責任の一端は岡田監督にある。秋季キャンプから春季キャンプにかけて打撃フォームにメスを入れている。とりわけ、春季キャンプから佐藤に取り組ませている“ノーステップ打法”は賛否両論。持ち味の豪快さが鳴りを潜めている。オフにソフトバンクの柳田悠岐(34)を手本に取り組んだ“万振り”とは真逆の理論だけに、迷いが生じているのかもしれません」(球界OB)
就任早々にヒンシュクを買っているのは広島の新井貴浩監督(46)だ。
「マネジメント会社が付いていて、個別取材のたびにギャラを要求されるんです。それも1本あたり20万円を要求された社もあったと言います。予算に余裕のあるテレビ局ならまだしも、新聞や雑誌に払える金額ではありません。その結果、新任監督ですが、メディア露出は控えめになりそうです」(スポーツ紙デスク)
どこもかしこもトラブルだらけのセ・リーグ。スタートダッシュで、株を上げるチームは現れるか。