ウクライ戦線で、ロシアが深刻な兵不足に陥っている。それを補うため、世界中から札束で兵を集めるという、新たな暴挙に打って出た、との情報が駆け巡っている。軍需産業関係者が事情を解説する。
「これまでロシアがウクライナに投入している兵力は、20万人前後だといいます。そして、この1年の戦いでの死者数は最大で7万人前後との推計(米政策研究機関「戦略国際問題研究所」CSIS)があり、兵力不足に陥っていることは間違いない。囚人を解放し、民間の軍事組織『ワグネル』を投入したものの、こちらも死傷者続出で、3万人の新兵募集を急ぐ有様です」
そのためロシアは、とうとうアフリカの親ロシア国家に大量のカネをバラ撒き、傭兵集めの準備を始めたというのだ。自衛隊関係者が声を潜めて語る。
「その兆候がすでに出ているのが、ウガンダ。同国のムセベニ大統領の息子で後継者と目されるカイネルガバ将軍が3月末、突如『モスクワが危機に陥るなら援軍を送る』などと公言し始めた。近々、ウクライナにウガンダの軍隊が数千人規模で投入されるともっぱらで、ウガンダには見返りとして数百億円のカネが流れる、と囁かれているのです」
これをきっかけに、ウガンダのみならず、親ロシアの貧困国から続々と札束で買われた軍隊が戦争に加担するという、恐ろしい構図に発展する可能性が出てくる。先の軍需産業関係者が言う。
「核の恫喝とともに、このロシアのなりふり構わぬ新たな暴挙を止めるため、欧米では最終手段について検討を重ねています。具体的な作戦内容は明らかにされていませんが、9.11アメリカ同時多発テロの首謀者、ウサマ・ビン・ラディンを抹殺した『ネプチューン・スピア(海神の槍)作戦』のような、生け捕りではなく殺害のみを目的とした電撃作戦の再来もあると…」
それを暗示するように3月2日、プーチン大統領の出身地サンクトペテルブルクで爆発テロが起き、親プーチン関係者らに多数の死傷者が出た。情勢は混沌の一途だ。
(田村建光)