ウクライナ危機の裏で、インドと中国が「転売ヤー」として暗躍。国際社会から非難の声が上がっている。
ウクライナ侵攻を続けるロシアに対し、西側諸国は厳しい“経済制裁”を発動していることか、ロシア産原油の輸出量は減少しているが、なぜか原油輸出“収入”は大幅に増えているという。一体なぜなのか。
「ロシアが割安な原油を、中国やインドに大量に輸出しているのです。中国の原油輸入元はサウジアラビアを抜いてロシアが首位になり、今年5月には前年比55%増の約842万トンで、過去最高を記録しました。またインドは国内需要の8割を輸入に頼っていますが、5月の原油の輸入元はロシアがイラクに次いで2位に躍り出ています。さらに格安の原油を輸入したインドの石油企業は、石油製品を欧米諸国に高値で売り捌いているのです。これは中国のアジアへ向けた輸出においても同様。もはや両国がやっていることは、ネットオークションサイトの『転売ヤー』と同じといっていいでしょうね」(政治ジャーナリスト)
ロシアのラブロフ外相は6月4日、西側の制裁による石油輸出への影響はないとして、今年のエネルギー輸出利益は大幅に増加するとの見方を示し、「石油需要が存在し、我々には代替の市場があり、そこですでに販売を増やしている」と強気の姿勢を見せていた。
中国、インドそれぞれ自国の思惑があるのだろうが、このままでは欧米のロシアに対する経済制裁が骨抜きにされかねない。ネットオークションと違い、取り締まる“運営元”がいないのが歯がゆいところだ。
(ケン高田)