1982年12月、日本電信電話公社が「テレホンカード」の発行と販売を開始。テレカは40年目に突入した。街なかで公衆電話を見ることが減った今も、災害など緊急時に使用する目的や、入院患者の連絡用に病院で販売されている。
最初に販売されたテレカは岡本太郎によるデザインのもので、シンプルなものが主流だった。ところが企業が商品の宣伝用にテレカを作りはじめ、週刊誌やマンガ誌がアイドルのテレカを作って読者プレゼントにすると、多彩な盤面のものが登場。コレクターズアイテムとして、額面よりも高値で取り引きされるようになった。
そして85年、テレカの歴史を変えるカードが誕生した。人気アイドル・斉藤由貴のシングル「卒業」のテレカだ。当時の盛り上がりを、テレカバイヤーが振り返る。
「テレカは未使用でないとマニア的には価値がないのですが、当時はコレクターズアイテムになっていることを知らない人が多く、せっかく手にしても使ってしまうことが多かったんです。ですので、未使用の『卒業』のカードは少なく、現在では10枚もないと言われています。レアである上に斉藤由貴の人気が重なり、オークションで50度数のカードに30万円もの値がつきました」
これは週刊誌やテレビでも取り上げられ、世にテレカブームを巻き起こした。「卒業」テレカは以前より値は落ち着いたが、今も10万円前後で取り引きされている。
現在も多くのファンがいるテレカだが、今後、新たなカードが登場することはないという。
「企業や出版社がNTTから無地の『ホワイトカード』を購入し、盤面に印刷をして配布、販売していたのですが、19年にホワイトカードの販売はなくなりました。現在はクオカードで、アイドルやグラドルのものが作られています。こちらもコレクターズアイテムになっていますね」(前出・テレカバイヤー)
卒業をはじめとする伝説のテレカを「アサ芸Secret! Vol.81」で一挙公開。バイヤーが選び抜いたカードで、テレカ40年の歴史を振り返ってみては。