サッカー日本代表の永遠のライバル・韓国との親善試合が再び持ち上がった。国際Aマッチデーの6月15日と20日のどちらかで調整が進んでいるというのだ。
韓国は今年3月にも親善試合の相手として候補に挙がったが、韓国のビザ申請の手続きが遅れたことで白紙に。やっと実現にこぎつけそうだ。
かつては親善試合であっても両国ともにヒートアップした日韓戦だが、近年は日本のサポーター心理が変化。「永遠のライバル」から「アジアのライバルのひとつ」という認識になり、試合は以前ほど盛り上がらなくなっている。3月、そして今回ともに日韓戦を強く望んでいるのは韓国だ。なぜそこまで日本との試合にこだわるのか。
「韓国は長年にわたって、日本サッカーを上回る成績を残してきました。過去の歴史もあって『サッカーは日本に絶対負けない』という自負がある。ところが去年のW杯カタール大会では同じベスト16だったものの、ドイツとスペインという強豪を破った日本に差をつけられることになりました。韓国にしてみれば、早く日本と戦って差がないことを証明したい。プレミアリーグのトッテナムで活躍するソン・フンミンがいますし、日本に勝つ可能性は十分あると考えているのでしょう」(サッカーライター)
さらに、監督が新しくなったことも一因だという。
「韓国はポルトガル人のベント監督が退任し、元ドイツ代表のクリンスマン監督が就任しました。生まれ変わった代表チームが今どのレベルにあるのかを確認するために、過去に何度も試合をしている日本は適任です」(前出・サッカーライター)
韓国にとっては利点ばかりの日韓戦だが、日本にメリットはあるのか。3月の試合には日本サッカー協会も前向きだったが、今回は「森保一監督はランク上位のチームを要望している」(日本サッカー協会の反町康治技術委員長)と、日韓戦を望む声はトーンダウンしている。
来年開催される「AFCアジアカップ2023」で対戦する可能性があり、なにも今、韓国と試合をしなくてもいい、という声もあるようだ。一方で、
「強くなるには、強豪国と真剣勝負をするのが一番です。強い国なら負けても収穫はある。負けると監督のクビが危うくなるものですが、チーム作りを始めた今の時期なら問題ないこと、協会が自身をクビにしないことを森保監督は理解しているはず。解任がないのなら、韓国ではなく、もっと強い国とやりたいでしょうね。もっとも、南米の中堅チームがヤル気の薄いまま来日して試合をするぐらいなら、韓国を相手にした方がいいですが」(前出・サッカーライター)
木村和司の「伝説のフリーキック」や、山口素弘のループシュート、フランスW杯予選・国立での壮絶な逆転負けなど、多くの名場面が誕生した日韓戦。6月、新たな伝説は生まれるだろうか。