スポーツ

ペルー戦快勝でもW杯から成長していなかった森保監督の「誤算」部分

 韓国を1-0で破って日本に乗り込んできたペルー代表を4-1で粉砕。

 日本代表の6月シリーズ2連戦。1戦目のエルサルバドル戦では、開始3分で相手に退場者が出て、とても強化とは言えない試合になってしまった。それだけにペルー戦は大事な一戦となった。

 もちろん、ペルーは長時間の移動と時差があり、韓国から日本へ移動してきた。日本は2試合とも相手を待ち受ける完全なホームアドバンテージがあった。それでもFIFAランキング(日本20位、ペルー21位)の変わらない相手にホームゲームとはいえ、4-1の快勝は素晴らしい結果だ。

 日本代表の武器である左右の槍、三笘薫、伊東純也の突破から何度もチャンスを作り、インサイドセンターの鎌田大地は落ち着いたプレーで攻撃の起点となっていた。そして新キャプテンの遠藤航も相変わらず、球際の激しさで相手の攻撃の芽を摘んでいた。W杯組のプレーはさらに磨きがかかったように見えた。

 ただ、新生・森保ジャパンが目指す「相手を押し込んで攻める時間を増やす」という課題はどうだったのか。ほとんどの攻撃がカウンターで、三笘と伊東を走らせていた。それはW杯と変わらない。対戦相手の出方によって臨機応変に対応することは大事だが、ペルーのレベルやホームでの試合を考えれば、もっと押し込んでゲームを支配する時間があっても良かったのではないか。そこは反省する部分である。

 また、この試合で注目されたのが、代表復帰を果たし先発したセルティックの2人、古橋亨梧と旗手怜央だ。

 古橋は前半13分に伊東のクロスを頭で合わせたが、シュートは左にそれた。その後もゴール目で何度も動き直しをしながらチャンスを待ったが、シュートはこの1本で終わった。結局、他のFWと違いを見せるほどの結果は出せなかった。W杯ともなれば、チャンスはそれほど多くはない。だからこそ、あのヘディングシュートは決めて欲しかった。

 ワントップのポジションは、日本代表で一番層が薄いポジションで、ここ数年間で絶対的なレギュラーはいない。古橋のほかにも上田綺世、前田大然、浅野拓磨と候補はいるが、他を圧倒するような結果を出していない。

 今夏には湘南の町野修斗、横浜FCの小川航基が欧州に移籍するようだ。これからは欧州を舞台にアピール合戦が始まる。誰かが抜け出さないと日本の弱点になる。

 旗手は2戦連続で先発出場。エルサルバドル戦ほど目立たなかったが、攻守のつなぎ役や周りを生かすプレーで中盤を支えていた。

 今回の日本代表のシステムは4-1-4-1(4-3-3)で、中盤は逆三角形でワンボランチの前にインサイドセンターを2枚置く。インサイドセンターのポジションがあれば旗手は生きる。W杯での日本代表のシステムは4-2-3-1でスタートし、後半に入り3-4-2-1に変えていた。このシステムは2枚のボランチを置くため旗手を使うポジションがなかった。今回のような使い方なら今後も代表に招集されるチャンスは増えるだろう。

 しかし、このポジションはワントップと違って選手層が厚い。激しいポジション争いに勝つ必要があるが、果たして旗手は生き残れるだろうか。

(渡辺達也)

1957年生まれ。カテゴリーを問わず幅広く取材を行い、過去6回のワールドカップを取材。そのほか、ワールドカップアジア予選、アジアカップなど数多くの大会を取材してきた。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
「反大谷翔平」の上原浩治に「直球質問」をぶつけたら返ってきた「絵文字」が…
2
東京ドームで観客半分の「プレミア12」にサッカーファンが「シラケる」挑発バトル
3
なんだこりゃ!岡田将生の電撃結婚を「完全スルー」した「めざましテレビ」の担当は元カノ鈴木唯アナ
4
「メジャー挑戦」佐々木朗希はドジャース入りでなく千賀滉大や前田健太のように孤軍奮闘せよ
5
大谷翔平「MVP受賞映像」で「真美子夫人の妊娠説」が噴出したワケ