4月17日、大相撲の春巡業で150年の歴史を持つ「靖国神社奉納相撲」が開催された。
コロナの影響で20年以降の開催が見送られてきたが、4年ぶりに復活。そんな伝統行事でファンから万雷の拍手を送られていたのが、横綱・照ノ富士だった。相撲ライターが最近の様子を振り返る。
「両ヒザの故障と持病の糖尿病の悪化が影響して、昨年の9月場所から4場所連続で休場。4月15日に神奈川県藤沢市で開催された巡業では、恒例の幕内トーナメントに出場して優勝しましたが、もともとこの日の取組表には名前がなかった。サプライズで横綱の取組が用意されたのです。結びの一番に登場して、先場所優勝した霧馬山を相手に、寄り倒しで勝利。真剣勝負ではない『花相撲』とはいえ、5月場所に向けて復活を印象付けた取組となりました」
来場所の復帰アピールとしては土俵のみならず、オフィシャル後援会サイトをオープンさせている。ところが、あまりにも唐突な個人後援会の設立には、訝しむ声が絶えない。角界関係者が耳打ちする。
「引退後の独立に向けた動きでしょう。21年9月場所に横綱に昇進した頃から『できて、あと1~2年くらい』と周囲にこぼしていたほど、体はボロボロです。ただし引退しても、所属する伊勢ケ浜部屋を継ぐ可能性は極めて低い。というのも、現段階では若手力士に最も慕われている先輩の楯山親方(元幕内・誉富士)が継ぐことが既定路線だからです。21年に日本国籍を取得して、師匠と同じ『杉野森』の名字を名乗っていますが、その伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)との折り合いは芳しくありません。どうも、師匠の『拝金主義』に嫌気がさしているんだとか。ちなみに、引退して親方業に就くために必要な、年寄名跡の取得にはメドが付いたといいます」
早くも独立に向けた動きはチラホラ出ているようで、
「母校の鳥取城北高校を中心に、有望な学生を熱心にスカウトしています。今年の1月場所に幕下付出からわずか1場所で十両に昇進した、高校の後輩で宮城野部屋の落合や、来場所から幕下付出10枚目でデビューする大の里にも、内弟子として声をかけていたようです。いずれも獲得競争には敗れてしまいましたが…」
まずは個人後援会から地盤を固めるのか。独立へのカウントダウンは「待ったなし」である。