フランスのマクロン大統領が、中国に急接近している。そこで台湾問題や半導体などで中国と対立を深めるアメリカが「マクロン潰し」に打って出る、との不穏情報が飛び交っている。国際情勢アナリストが解説する。
「4月上旬、マクロンが訪中し、習主席と会談しました。60人以上のビジネス代表団を随行させ、エアバス社製の航空機160機、約200億ドル(日本円で2兆6700億円)にのぼる契約など、ビッグビジネスを展開しました。習主席がいかにマクロンを歓待したかが窺えます」
背景には、台湾問題を巡るマクロン大統領の「アメリカ不支持」の姿勢がある。
「最悪なのは、欧州がアメリカに追随しなければならない、と考えることだ」
マクロン大統領はこう発言し、「自分たちの危機ではない」と、台湾問題自体がどうでもいいことだと言い放っている。先の国際情勢アナリストは、
「マクロンは今、自国の年金財政悪化で崖っぷちに立たされている。年金支給年齢を62歳から64歳に引きのばす策を押し進めたところ、100万人規模のデモが頻発し、支持率が危険水域の20%台に一気に落ちたのです。マクロンとしては、経済を活性化させることで批判を収束させたい。つまり支持率が回復すれば、アメリカなどどうなってもいいという姿勢で、カネと支援が欲しいとばかりに、中国に擦り寄っているわけです」
当然ながら、アメリカ政府とバイデン大統領は猛反発。
「バイデンは欧州との連携において、マクロンの動きを完全な裏切りとみなしている。そんな中、CIAを水面下で動かしてデモをさらに拡大させ、マクロン退陣を仕掛けるというキナ臭い話まで伝わってきます」(公安関係者)
日本の外務省関係者は、こうも明かす。
「アメリカのホワイトハウス関係者は『マクロンは完全に習近平側に落ちた。そのマクロンに来年のパリ五輪などやらせるわけにはいかない』とつぶやいていました」
そうした怒りをヨソに、マクロン大統領はロシア、ウクライナの和平調停にも中国の力を借りようと、動き始めているという。奔放すぎる自己中心的行動は、報いを受けるのか。
(田村建光)