アメリカのバイデン大統領が、9月18日に放送されたCBSテレビの単独インタビューの中で、「中国が台湾に侵攻した場合はアメリカ軍が台湾を守る」と明言した。これに中国側は「強烈な不満を表明する」と猛反発。いよいよキナ臭さが漂い始めている。
もし中国とアメリカとの間で戦争が勃発すれば、第3次世界大戦の引き金にもなりかねないだけに、バイデン氏の発言に世界中が注目しているが、実際に台湾有事が勃発する可能性はあるのだろうか。
「台湾では24年に総統選が行われますが、中国に親和的な総統が誕生しなかった場合を考慮すると、同年から25年がひとつの山場になるでしょうね。アメリカは日本や韓国、フィリピンなどの同盟国の存在により一見、中国の増長を食い止めているように見えますが、中国側も黙って指を咥えているわけではありません。パワーバランスが拮抗している間は手を出しづらいものの、台湾国内の動向によっては意外と早い時期に仕掛けてくる可能性はあります」(軍事ジャーナリスト)
もし戦争となれば、どちらが優勢となるのか。軍事ジャーナリストが続ける。
「アメリカは1988年に当時のソビエト連邦と『中距離核戦力全廃条約』を締結している影響もあり、中距離ミサイルが圧倒的に不足している。そのため現状では中国の軍事力の方が上回るとみられているんです。その中距離ミサイルの配備も含め、日本も今後、ますます厳しい対応を迫られることになるでしょう」
台湾有事が勃発すればアメリカ軍が沖縄を拠点にする可能性が高く、決して他人事ではない。
(ケン高田)