ピンク・レディーの秘蔵映像を集めたDVD6枚組ボックス「Pink Lady Chronicle」が、4月19日に発売された。「DayDay.」(日本テレビ系)などの各局ワイドショーが往年のヒット曲を紹介したものの、どうにも盛り上がりに欠けるのだ。その理由を、音楽関係者が明かす。
「ファンもテレビ局も、積極的にはピンク・レディーに関わりたくないからです」
これはいったい、どういうことか。
「過去に肖像権をめぐって出版社との訴訟が起きた際には、最高裁まで争われました。2018年に子供向けアニメ『妖怪ウォッチ』がピンク・レディーのヒット曲『UFO』をパロディにしたところ、テレビ東京で放映した際には親世代が『神回』と盛り上がったものの、系列局での再放送は全面中止。テレビ東京は局の都合と釈明し、その後、ピンク・レディーのパロディ箇所が全削除された形で動画配信、DVDが発売されました。本人達の肖像ではなくパロディなのに、です。『妖怪ウォッチ』はアニメ製作会社と電通グループ企業が共同出資し、ディズニーXDで全米放映していましたが、ディズニーでもピンク・レディー案件はNGなのかと、業界内は騒然としました」
ピンク・レディーの公式動画サイト会員数は4月19日現在、約4800人。前出の音楽関係者が言う。
「公式サイト会員数44万人の広瀬香美はYouTubeの公式動画からバズり、50代60代はもちろん、若い世代のファンも獲得しました。同じくQUEENやYMOも再び脚光を浴び、80年代のミュージシャンもAmazon Musicや TikTokで昔の動画をキッカケに、続々とリバイバルブームが起きています。ピンク・レディーにはできないプロモーションですね」
昔を懐かしがるコンテンツ、興味を惹くコンテンツがなければ、物欲は喚起されない。忘れ去られるのみだ。