昨今、頻繁にニュースに登場する「ChatGPT」は、アメリカの人工知能開発機関が提供する対話型人工知能である。昨年11月に世に出てから、利用者が急激に増えている。日本語を入力した際も、人間と見まがうほどの精度で回答が可能なことから、国内でも政府や官公庁が利用を明言するなど、深く浸透しつつある状況だ。
今後、ビジネスの現場を大きく変えると期待されているこのChatGPTだが、教育現場での活用の是非をめぐり、議論が勃発した。
発端となったのは4月11日に経済メディア「NewsPicks」が公開した「ChatGPTは教育の敵か、味方か?」と題した討論番組だった。
ここで4人の子供を東京大学医学部に現役合格させたことで知られる「佐藤ママ」こと、カリスマ教育ママの佐藤亮子氏が、ChatGPを徹底的に批判したのだ。
「教育で使うのなら12歳までと中高、大学、一般人に分けないとダメ」
と語った佐藤ママは、
「子供にとっては恐るべき敵」
とまで言い切ったのである。
これに真っ向から反論したのが、堀江貴文氏だった。
自身のFacebookで佐藤ママについて「こいつバカでしょ笑」とコメントし「まあつまり自分の子供の自慢である東大理3とか簡単にAIが受かるようになってしまうのが嫌なんだろうな」と続けたのだ。
さらに脳科学者の茂木健一郎氏や、2ちゃんねる創設者のひろゆき氏もホリエモンの意見に賛同し、SNSは「佐藤ママ叩き」の様相を呈していた。
そんな「ChatGPT有害論争」の勃発から半月あまりが経過し、
「私の周囲では、佐藤ママの評価が急上昇しているんですよ」
と語るのは情報番組関係者だ。いったいなぜなのか。
「彼女はYouTubeチャンネルを持っているのですが、この件に関して一切、反論していない。バカ呼ばわりされて本心は穏やかではないはずなのに、あえて言い返さないところに『懐の深さを感じさせる』というんです」
取材への対応も見事だったといい、
「佐藤ママは4月27日の『週刊女性PRIME』の記事でインタビューに答えているのですが、今回の騒動の記事を息子に教えてもらったものの『下品な言葉づかいを見て、読む気がなくなった』とのこと。こうした飄々としたスタンスは、間違いなくコメンテーター向きです。事実、ワイドショーの企画会議では『ChatGPT特集で佐藤ママを呼んではどうか』といった声が出ていますね」(前出・情報番組関係者)
もしかすると、軍配はカリスマ教育ママに上がった…ということなのか。
(川瀬大輔)