ショートムービー・プラットフォーム「TikTok」と東宝が、「縦型映画」という新たな映画のカタチを見せる映画祭「TikTok TOHO Film Festival 2023」が開催される。縦型映画とは、スマートフォンの縦型画面を生かした新しい形式の映画のことだ。
5月10日にスタートした作品募集の期間は、8月13日まで。昨年はというと、2カ月あまりの間に応募の投稿があったのは2000本だった。
3回目の開催となる今年はグランプリ、観客賞、脚本賞、アニメ・CG賞、チャレンジ賞が設けられている。応募できるのは、1分から最長10分までの作品となり、厳正に審査される。
だが、この縦型ショート動画を映画と呼ぶことに違和感を覚えるのが、40代以降の世代だ。50代後半の映画ライターが首をひねる。
「映画館に足を運んで鑑賞する人が少なくなり、配信が主流になっている現在では仕方ないのかもしれませんが、スマホで見る映画は迫力に欠けますね」
だがその一方で、
「でも実は10年ほど前に、岩井俊二監督から『いずれ縦型映画が主流になる時代が来る』という話を伺ったことがあります。その時は、そんなわけないだろうと思いましたが、現実のものとなってきました。10年前のスマートフォンは映画を撮れるほど優秀なものではなかったはずなのに、さすが岩井監督の感性と予見力。私としては、東宝が新しいことを始めたいという気持ちが窺えて、大いに期待できますね。ただやっぱり、私の世代には画面が小さくて、見にくすぎますが…」(前出・映画ライター)
この映画祭のアンバサダーには、女優・池田エライザが抜擢された。池田は10代に人気。これはやはり若者の文化である。