今は本人の回復を待つしかない。5月18日に目黒区内の自宅の地下室で倒れているのをマネージャーに発見され、一命を取り留めた市川猿之助。だが2階で倒れていた父親の四代目市川段四郎と母親は帰らぬ人となった。ベテラン救命救急士が言う。
「地下にいた猿之助さんが助かり、2階にいた両親が亡くなったと聞く限り、一家心中ではなく、両親は猿之助さんの自死未遂に巻き込まれた偶発的な事故の可能性が高いと思われます。自死企図に用いられる一酸化炭素は空気より軽く、硫化水素は空気より重い。集合住宅で自死を試みると、本人は助かったものの、一階や最上階の他の住人が巻き込まれることがあるのはそのためです」
猿之助が救急搬送された同日、「女性セブン」(小学館)が猿之助の性加害やハラスメント疑惑を報じていただけに、憶測が飛び交う事態に。梨園関係者が言う。
「澤瀉屋(おもだかや)では猿之助の従兄弟にあたる香川照之(市川中車)に続くスキャンダルで、猿之助は独身、香川の息子はまだ19歳と若い上に、歌舞伎の世界に入ったのが遅かったことで、裏方から嫌がらせを受けていると、週刊誌記事にもなりました。今回は一門断絶の危機です」
影響はそれだけではないと、この梨園関係者が続ける。
「歌舞伎興行を担当する松竹と、猿之助の性加害を報じた小学館集英社グループはこれまで、蜜月関係にありました。猿之助は『少年ジャンプ』の人気作品『ONE PIECE』の新作歌舞伎を上演、『少年サンデー』の『名探偵コナン』も市川團十郎が海老蔵時代に本人役で出演しています。警視庁の事情聴取を受ける猿之助の今後の発言しだいでは、これらの作品がお蔵入りするかもしれません。若い世代の歌舞伎離れも進み、ダメージは計り知れない」
死者を出す前に、どうにかならなかったのだろうか。