卓球女子で五輪3大会連続メダルを獲得した石川佳純が5月18日、都内で引退会見に臨んだ。
200人を超える報道陣が詰めかけ、2時間近くにわたり出続けた質問に全て答えた石川は、パリ五輪前年でのリタイヤとなったことに、
「今、自分に声をかけるなら『よく頑張ってこられた』かな」
と晴れやかな表情で話していた。中国メディアからも質問が飛ぶと、流暢な中国語で回答。
「機会があったら中国のファンの皆様にも挨拶したい」
気になるのは今後についてだ。特に民放各局は久々の五輪メダリスト引退とあって、水面下で「争奪戦」が繰り広げられているという。この日の会見にも、民放全局が駆け付けた。多くの局でライブ配信を行うなど、その扱いは特別だった。
ただ、本人の意向としては、テレビ出演を中心に据えてはいない。そのヒントは、会見で報道陣全てに配られた「インスタントカレーとご飯」にある。
「(所属先の)全農さん(全国農協同組合連合会)にご用意していただきましたので、(直筆の)手紙も添えさせていただきました」
と説明した石川。全農は今後もセカンドキャリアを全面支援していくことが決まっている。石川自身も農業への思いは強く、自身が野菜や米作りをするプロジェクトが進行中だという。
日本の農業のマドンナとなる、異例のキャリアがスタートする。
(小田龍司)