G7広島サミット(先進7カ国首脳会議)が終わったことを受け、報道各社が発表した世論調査で、岸田内閣の支持率が大幅に上昇していることから、永田町では衆院の解散・総選挙の機運が高まっている。「6月21日に解散し、7月11日公示、大安の7月23日に投開票」という具体的なスケジュールまで出ているのだ。
ウクライナのゼレンスキー大統領が電撃訪日して、G7サミットに参加したことも、支持率を上げた大きな要因とみられることから、早くも「ゼレンスキー解散」という命名までなされている。
読売新聞が5月20日、21日に実施した全国世論調査によると、岸田内閣の支持率は56%で、前回(4月14~16日調査)の47%から9ポイント上昇した。内閣支持率が5割台を回復するのは8カ月ぶりだという。
毎日新聞が同じく5月20、21の両日に実施した世論調査でも、岸田内閣の支持率は45%で、4月の前回調査(36%)から9ポイント上昇した。不支持率は46%で、前回調査(56%)から10ポイント下落した。
岸田文雄総理自身は5月21日の広島市での記者会見で、6月21日に会期末を迎える通常国会での衆院解散について質問されると「今、解散・総選挙については考えていない。この考えは従来と変わっていない」と表明。「今、重要な政策課題に結果を出すことに、最優先で取り組んでいる」と強調した。野党から内閣不信任決議案が提出された場合に「解散の大義になると考えるか」との質問には答えなかった。
総理の答弁はいつもながら同じだが、「今」と述べているところがミソだ。つまり、6月の時点では変わる可能性がある。自民党中堅議員は、
「前回の選挙から2年も経っていないが、このタイミングを逃すと秋以降は増税の話が出てくるし、アメリカ経済の行方は不透明。日本維新の会の選挙準備も整い始める。7月23日に焦点を当てて、準備を始めている」
野党も6月21日の「ゼレンスキー解散」を見据えているという。