7月23日から25日まで訪韓した舛添要一東京都知事(65)。自信満々で臨んだ朴槿恵〈パク・クネ〉大統領(62)との会談で、ペコペコ頭を下げる“醜態”をさらし、都民への「背信公約」まで交わして帰国したのだった。
「ささやかながら暖かい風を吹かせることができた」
朴大統領との会談後、日韓の記者団に訪韓の意義を語った舛添知事。本人の自己満足とは裏腹に、韓国メディアからは「安倍晋三の特使」と揶揄され、日本メディアからは「弱腰」と叩かれる惨憺たる結果に終わった。
都知事の立場で「韓国外交」をした理由を、都政担当記者が説明する。
「ソウルとは友好都市ですが、石原都知事時代に関係がこじれてから18年間訪問がとだえていました。舛添知事が就任してから、ソウルの朴元淳〈パク・ウォンスン〉市長から招待されたことで、訪韓が実現したのです」
青瓦台〈せいがだい〉(韓国大統領府)では朴大統領とも会談した舛添知事。2人ともフランス留学の経験があり、会談前はフランスの話で盛り上がっていた。しかし、テレビカメラの前で会談が始まると、和やかな雰囲気は一変。朴大統領は険しい表情で、冒頭からこう牽制したのだった。
「一部政治家の不適切な言動で困難がのしかかっている。『正しい歴史認識』を共有しながら両国が安定的に関係を発展させていけるよう力を尽くしてもらいたい。従軍慰安婦の問題は誠意ある努力で解決することを期待している」
舛添知事は反論もできず、ただ安倍晋三総理(59)から託された「日韓関係の改善のために努力する」というメッセージを伝えるので精いっぱい。韓国のテレビでは、知事が背中を丸め、媚を売るかのような笑顔でうなずく場面が繰り返し放送された。
政治評論家の屋山太郎氏は、こう苦言を呈する。
「韓国紙でもその時の写真が使われ、まさに国辱的行為だった。握手をしてペコペコ頭を下げたらどう政治利用されるのか、まったく理解していない」
政府関係者もこう嘆く。
「本人は外交に自信があって、パイプ役として安倍さんにアピールしたかったんでしょう。舛添知事は24日に鄭義和〈チョン・ウィファ〉国会議長と会談した時に、『安倍首相とはいつでも会える特別な仲』と強調していた。利用されただけで、総理のパイプ役としての期待はみごとに裏切られました」
安倍総理・朴大統領の両方に揉み手ですり寄った「コウモリ外交」の失敗は、それだけではなかった。