今年1月下旬、インドを外遊した朴槿恵大統領は、
「インドと原発で協力できる余地がある。1978年の稼働以来、韓国の原発は一度も大きな事故を起こしていない」
と放言。これには世界中から失笑が漏れた。何しろその2カ月前には韓国原子力安全委員会が調査した結果が発表され、原発部品の品質証明書の偽造が2287件も。原発絡みの不正で運営関係者ら約100人が起訴され、根幹から安全性が疑われていたからだ。
なぜ、こんなに「韓国産原発」はずさんなのか。韓国原発の内情に精通する関西学院大学総合政策学部の朴勝俊〈パク・スンジュン〉准教授の解説を聞こう。
「韓国には工学的な知識を持った専門家がほとんどいません。運営側の私欲のためにチェック態勢が機能しておらず、監視の目が行き届かないのです」
その顕著な例が、12年2月に起きた、古里原発1号機の「ブラックアウト(機能停止)」。12分間も全電力が停止し、非常時用発電機も稼働しなかった。しかもこの状況下、非常時に備えた対応マニュアルが存在しないため、職員が各自の判断で勝手に動くといういいかげんさ。後日、原子力安全委員会の調査で、信じられない事実が判明する。
「停電事故直後、所長と現場幹部が会議を開き、事故を隠蔽する相談をしていました。原子力安全委員会から派遣された駐在官に気づかれないように、運営日誌に事故関連の内容を記録しなかったのです。結局、委員会は1カ月以上たってから報告を受けたそうです」(前出・韓国紙記者)
不正と偽造、隠蔽にまみれ、国民のことなど一切何も考えず。こうした体質は国内だけの問題ならいいのだが、実は日本にも「被害」は及んでいたのである。在韓ジャーナリストが言う。
「11年になって、韓国政府は68年から4年間、約45トンもの放射性廃棄物を日本海に投棄したと発表しました。廃棄物は厚さ15センチの保管容器に密封して捨てたそうです」
投棄された放射性物質は1年以内に安全水準まで自然減少する低水準放射性廃棄物だと韓国側は説明するが、日本海に放射性物質が漏れ出さなかった確証はどこにもない。そればかりか、韓国は新たな「被害」を発生させようとしているのだ。
「韓国には今、核廃棄物が300トンあります。これを処理するには300年かかると言われていて、この処理を海中でやろうとしています。300トンの核廃棄物を入れる海中施設を岩盤の中に造るのですが、経験がないため海中に漏れる危険性が指摘されています」(前出・在韓ジャーナリスト)
「前科」があるだけに、最悪の事態も予想されるが、韓国がまき散らす脅威は、空からもやって来ると、前出の朴准教授は言うのだ。
「韓国は地盤が強くて地震の頻度が少ないため、韓国水力原子力発電は、『日本やチェルノブイリと違うから事故は起こらない』と主張して、危険性を考慮していないのです。(ずさんな部品や管理で)大トラブルが起きれば、放射性物質が拡散し、日本を巻き込む事態に発展する可能性は十分にあります」
韓国南東部、九州から程近く日本海に面している古里原発でチェルノブイリ級の事故が発生したと想定して、原発事故評価プログラムを用いて朴准教授が算出した結果──北西の風に乗って放射性物質が九州と四国の一部に降り注ぎ、最大で約35万人がガン死するとの試算が出たという。
「韓国の原発安全神話は完全に崩壊しています。それを韓国が理解しないかぎり、事故は減らないでしょう」(朴准教授)
昨年11月の古里1号機から、2月のハンビッ(霊光原発から改称)2号機まで4カ月連続で稼働停止している「韓国産原発」。「反日放射能」攻撃だけはやめてもらいたい。