社会

安倍VS石破 内閣前夜に飛び交った“腰砕け造反劇”の一部始終(2)安保相就任拒否の声が高まった理由

20140911p

 当然、石破氏もすぐに安倍総理の思惑に気づき“口撃”を開始した。政治部デスクが言う。

「安倍総理の『(安保相の適任は)そうはいないよ』という言葉をマスコミを通じて石破幹事長にしつこく当てさせると、石破氏は『(先に名前があがっていた)高村副総裁の二番煎じは受けんよ』『オレを封じ込めるつもりなんだよな』と本音を漏らし始めた」

 石破氏にしてみれば、安全保障では一家言あるものの党のNO2だけに、その発言には常に制約がついて回った。そうした不満の蓄積も安倍総理との決裂に拍車をかけた。

 ジャーナリストの鈴木哲夫氏が解説する。

「今の自民党は“政高党低”で、常に政府が決定し、党の発言力が抑えられてきている。自民党の幹事長は、表向きにはNO2と言われてきたが、石破さんは政策実現能力を抑えられるばかりか、安倍さんに気を遣い、安全保障に関しても持論を展開できないありさまでした。まるで“座敷牢”に封じ込められてきたようなものでしたが、それでも『自民党は地方に支えられている』という思いから、来年の地方選を総仕上げと考えて、地道にコツコツと信頼関係を築いてきていた。そのやさきに今度は新設ポストへの就任要請。石破さんのショックは計り知れなかった」

 しかも内閣改造で入閣すれば、次期総裁選への出馬が難しくなる。石破氏の周辺で、安保相就任拒否の声が高まったのも無理はない。

「石破さんの側近たちは、たとえ無役になっても支える意向を伝え、次期総裁選出馬の主戦論で固まっていた。石破氏も『蜂起すれば50人は集まる』と意気揚々でした。以前は、安倍総理を支え、『挙党一致体制』で時を待つという慎重な意見があり、禅譲論という見方もあったが、ここに来て、安倍総理が『オレは(東京五輪の)20年まではやる!』と長期政権に意欲的であり、側近からも『安倍さんの気持ちは、いずれは小泉進次郎。年齢的に見て、女性総理を挟むだろうが、そこに石破さんはない!』なんて挑発的な声も聞かれ始め、石破さんが主宰する派閥横断勉強会『さわらび会』は主戦論に大きく傾いた」(政治部デスク)

 ところが、ここでも石破氏は思わぬ誤算に見舞われる。石破氏のさわらび会は昨年10月に96人を集めながら、今年8月に新潟県で開かれた自民党・無派閥連絡会の研修会では30人ほどの出席にとどまってしまったのだ。政界関係者が明かす。

「安倍総理はその数を聞いて『少ないね』と鼻で笑ったと伝えられているが、その一方で石破封じに慎重でしたね。お盆前に河口湖の別荘で夏休みを取っている時に、『石破は安保相を固辞』と聞いて激怒したと情報が流れましたが、実は側近に『まあ、予想どおりだけどな』『しかし、わがままだよね。だから嫌いだ』と言って次の一手を明かしていたそうです。側近は『結局、悪者になるのは石破なんだよ』と、自信ありげでした」

 この安倍官邸の手練手管に石破サイドは後手後手に回り、防戦一方の展開を強いられるのだ。

カテゴリー: 社会   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
2
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
3
沖縄・那覇「夜の観光産業」に「深刻異変」せんべろ居酒屋に駆逐されたホステスの嘆き
4
段ボール箱に「Ohtani」…メジャーリーグMVP発表前に「疑惑の写真」流出の「ダメだ、こりゃ!」
5
巨人が手ぐすね引いて待つ阪神FA大山悠輔が「ファン感謝デー」に登場する「強心臓」