スポーツ

山口健治の“江戸”鷹の目診断「オールスター」

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怪物物語の幕開け 深谷が実力発揮!

 上位クラスの戦いになるほど、個の力よりラインの長さや結束力が勝敗を左右するファクターになる。

 今年のGI第5弾「前橋オールスター」(9月11日【木】~15日【月】)。ファン投票で選ばれたドリームレースとオリオン賞のトップ18は、11人までが西日本勢。自粛欠場の影響があったにしても、ここまでGI4戦を中部近畿勢が制している西高東低の勢力図そのものだ。それだけに、東日本勢の奮起が望まれる。

 深谷知広の勢いが止まりそうにない。7月弥彦寛仁親王牌、8月松戸サマーナイトと特別を連取し、前走の豊橋記念も勝って賞金レースは首位。ファン投票トップは周囲も認める実力で、人気ともに競輪界ナンバーワンを証明した。

 深谷が実力を発揮しているのは、力任せのまくりから好位につける積極性が出てきたことが大きい。レースを覚えてきたからで、11年高松宮記念杯でGI初優勝を飾ったゲンのいいバンク。怪物物語の本章がいよいよ幕を開ける。

 深谷の快進撃に待ったをかけるのは、武田豊樹。前走・富山記念初日1着失格は、やや不運なところがあったものの、気持ちは切り替えている。不安があるとすれば、連係実績がある平原康多後閑信一が負傷欠場明けになること。ライン戦を重視するタイプだけに試練のシリーズになるが、武田なら克服できる。

 さて、並びと展開。結束力で群を抜くのは、ファン投票1~3位の深谷─金子貴志浅井康太の中部トリオ。そして東日本は、関東の武田─神山雄一郎、南関の根田空史新田康仁桐山敬太郎が圏内。北日本の新田祐大は単騎か。近畿は稲垣裕之村上義弘稲川翔中川誠一郎大塚健一郎の九州両者。他では地元の木暮安由に、岩津裕介脇本雄太。脇本が勝ち上がれば稲川がその番手、近畿は別線になる。

 根田が先手を取っても、深谷が間髪をいれず巻き返す。新田、中川、武田も333バンクだけに、仕掛けは早い。

 本命は深谷。ガードを固めるのは信頼できる2人。勝負どころで一気に発進する。対抗はスピードで深谷と互角の新田だが、武田と中川の台頭も十分ある。

 伏兵は、天田裕輝(群馬・91期)、東龍之介(神奈川・96期)、高久保雄介(滋賀・100期)の3選手。東とともにGI初出場の高久保には、大物食いが期待できる。

◆プロフィール 山口健治(やまぐち・けんじ) 1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。

◆アサヒ芸能9/9発売(9/18号)より

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