「内ゲバ」は民主党以来、立憲民主党のお家芸ともいえるが、同党の蓮舫参院議員が6月4日のBSテレ東の番組で、次期衆院選で150議席未満しか獲得できないなら代表を辞任すると表明した泉健太代表に、次のような注文をつけた。
「覚悟のひとつだと思うが、そのために何をするかの発信がまだ不十分だ。党所属議員や支援者に向けて、早くそれを出すべきだ」
蓮舫氏は公認候補3人が全敗した4月の衆参補欠選挙について、衆院千葉5区補選のように各党が候補者を出す中で当選者に肉薄するなど、今後の可能性を示したとの認識を示しつつも、
「泉さんの発信力、発言力、リーダー力は十分かと言われたら、残念ながら十分ではない現状があって、そこに対しては裏で言うのではなく、堂々と表で本人に対して言わせてもらいました」
蓮舫氏はそう言ってコキ下ろしたわけだが、この前日、泉氏は蓮舫氏について意外な言葉を発していた。
それは橋下徹氏が司会を担当するABEMAの「NewsBAR橋下」に出演した際のこと。蓮舫氏を批判する橋下氏に対し、泉氏は、
「蓮舫さんは本当に…蓮舫さんは、えーとですね…この国の無駄遣いを徹底して切って、ちゃんと子育てに回すっていうことを使命にしてるから、それはだらしない政治は泉健太も含めて許せないんですよ。だから僕もシャキッとしないといかん」
泉氏は矛先をメディアに向け、こうもツイート。
「報道は、立憲『下げ』イメージを演出する。実際は、野党内で立憲の擁立数が最多でも⇒『次期総選挙候補者の擁立が遅れている』。実際は、統一選で議席増。目標達成しても⇒『反転攻勢の兆しは見えない』。でも立憲は、間違いなく、反転攻勢に入っている。支持者の皆様、活動を広げよう!」
だが、「下げ」イメージを演出している原因が蓮舫氏ら党内にあることは、認めようとしない。
その泉氏は国会の会期末が6月21日に迫る中で、岸田政権に対する内閣不信任案を提出するか、決めかねている。昨年6月にも不信任案を出したが、解散はまだない、との前提だった。
だが、今回は岸田首相が不信任案を利用して、衆院解散・総選挙に踏み切るかもしれない。選挙準備が遅れている立憲民主党内には、
「今、解散となったら、壊滅的打撃を受けるのはウチの党だ」(中堅議員)
との懸念がある。
泉氏は6月2日の記者会見で「最後まで白紙だ」と語ったが、優柔不断な態度をとると、また蓮舫氏に喝を入れられそうだ。