「そこに愛はあるんか」
これは何のセリフか、すぐに気が付く人は多いのではないか。そう、大地真央が関西弁で放つ「アイフル」のテレビCMのシーンである。
視聴者に多大なインパクトを与えているこのCMは、はや第20弾に突入。その「凛とした女将編」に霜降り明星の粗品が登場した。料理人役のお笑い芸人で俳優の今野浩喜が、この決めゼリフを口にして振り向いた女将・粗品に「うわー!」と驚き、目覚めるという「夢オチ」だ。
何でもありのストーリー展開にできる夢オチは、CMではけっこう多い。
「2021年、吉岡里帆がどんぎつねに扮した『日清どん兵衛』の『寝言編』がそうでした。星野源が『るみ』『かおり』と寝言で言った女性の名前を、吉岡が聞いてやきもちを焼く。どん兵衛の天ぷらそばのこだわり『つるみと香り』を吉岡が勘違いしたのだと誤解が解け、2人で談笑。しかし、それは星野の夢で、そこに吉岡はいないという切ないオチでした」(テレビ誌記者)
また、トライグループ「家庭教師のトライ」では、アニメ「アルプスの少女ハイジ」の登場人物を「起用」。2022年2月に「シンガーおんじ篇」、6月に「シンガーハイジ篇」を放送し、いずれも「夢か!」と目を覚ます夢オチのシリーズだった。
「15~30秒の短尺の中で、視聴者にインパクトを与える手法として、夢オチは有効でしょう。『家庭教師のトライ』のように、好評であればシリーズ化も狙えます」(広告代理店関係者)
事実、長澤まさみが出演する「クボタ」の企業CM最新作「クボタが支える タイ農業篇」(6月10日からスタート)は、長澤が目覚めると、なぜかタイの農家の長女に。周囲との会話も自然と成立するという内容ですが、ラストはタイ語で「起きて」と促され、ベッドで目を覚ます長澤が「続く…」とナレーション。なにやら「続編」が気になる作りなのである。
(所ひで/ユーチューブライター)