鉄道を利用する際に欠かせない「時刻表」。近年はスマホのアプリを使うことが増え、出番は以前よりも減ったが、それでも旅行の計画を立てる時などは時刻表が便利だ。
有名なのはJRの時刻表だが、小田急電鉄や京成電鉄など私鉄の時刻表もあり、鉄道の書籍専門店に行けば海外のものも手に入る。その中でも特にマニアックなのが「貨物時刻表」だ。
掲載されているのは文字通り貨物列車の時刻。年に1回、ダイヤ改正が行われる3月に発行される。貨物列車は乗ることができないにもかかわらず、販売数は2万部を超える大ヒット本だ。
なぜそんなに人気なのか。鉄道ライターによると、
「貨物時刻表、通称『カモジ』は、荷物の運搬を頼んだ荷主が、自分の荷物が何時にどこを出て、いつ目的地に到着するのか確認するために発行されています。これが貨物列車の写真を撮る撮り鉄には欠かせない。2万部のうちのほとんどを撮り鉄が購入しているのではないでしょうか」
特殊な用途であるため、時刻の並びも普通の時刻表とは大きく異なっている。
「普通の時刻表は路線ごとに分かれ、出発時間が早いものから順に並んでいます。カモジも路線ごとに分かれているのは同じですが、並びは出発時刻順ではなく列車番号順。初心者はどう使ったらいいのか戸惑います」(前出・鉄道ライター)
貨物時刻表には時刻だけでなく、貨物を牽引する機関車の種類や運用の順番、機関区の路線図なども掲載され、定価は2500円。少々お高いが撮り鉄にはたまらない1冊なのだ。