FIA国際自動車連盟が6月20日、フォーミュラE世界選手権の来季暫定カレンダーを発表。3月30日の第7戦に、東京での開催を予定していることがわかった。
フォーミュラEは化石燃料を使わず、電動のパワートレインを搭載。今季は11チーム22台が参戦し、日本からは日産が参戦している。来季の日本での舞台は、東京江東区有明の東京ビッグサイト周辺の公道が予定されているという。
小池百合子東京都知事は「2050年CO2排出実質ゼロ」を実現する「ゼロエミッション東京」を掲げていることからフォーミュラEの開催を大歓迎しているようだが、冷ややかな声も少なくない。
モータージャーナリストが説明する。
「1987年から94年にかけ日本はF1ブームに沸きましたが、バブル崩壊やホンダの撤退などでブームは過ぎ去り、今ではすっかり下火になってしまいました。エキゾーストノートを響き渡らせ400キロ近い高速で走るF1は確かに迫力がありましたが、さすがに今のご時世では手放しで受け入れ難い。そんな中で登場したのがフォーミュラEでした。しかし20年から21にはFIA世界選手権に昇格したものの、その後、アウディやBMW、メルセデスなどが次々と撤退を発表。理由は様々ですが、得られる技術を量産車に活かす機会がないことや、エンターテイメント性が希薄なことが挙げられるでしょうね」
確かにモーター音しかしないのは今時とはいえ、わざわざ東京の街を封鎖してレースを行い、どれだけの観客を集めることができるのか疑問だ。
「コースの設定はすでにできているといいますが、FIAのレギュレーションに則った設備の設置などクリアすべき課題は山積み。都民の貴重な血税がいったいいくら使われるのか公表する必要も出てくるでしょう」(前出・モータージャーナリスト)
24年から3年間は継続開催を予定しているというが、もし24年に予定されている都知事選で小池知事が立候補回避や落選するようなことがあれば、一転して白紙になることも十分に考えられるだろう。
(ケン高田)