前人未踏の八冠を目指す将棋の藤井聡太七冠に、強力なライバルが出現した。
6月23日に行われた第94期「ヒューリック棋聖戦」第2局で、佐々木大地七段が111手で藤井に勝利し、対戦成績を1勝1敗とした。これで両者の通算対戦成績は3勝3敗とまったくの五分。佐々木はタイトル獲得歴こそないものの、藤井にとって一番の刺客と目されている。
将棋ライターが語る。
「藤井と佐々木は共に2016年にプロ棋士になった同期。佐々木は順位戦こそC級2組ですが、今年度は13勝2敗と絶好調で、勝数ランキングは堂々の1位。また連勝ランキングでは15連勝で1位となっており、藤井や羽生善治九段の13連勝を上回っています。藤井が八冠を目指すとなれば、佐々木に勝利し、棋聖のタイトル防衛が欠かせないことは言うまでもありません。少しでも油断すると足下をすくわれる可能性もありますよ」
もはや互角に戦えるライバルがいないとまで言われている藤井だが、豊島将之九段など苦手にしている棋士も少なからず存在する。ライバルたちもただ手をこまねいているワケにはいかないだろう。
注目の第3局は7月3日に静岡県沼津市の「沼津御用邸東附属邸第1学問所」で行われる。佐々木が真の「藤井キラー」になるか、見ものである。
(ケン高田)