史上初の八冠に期待がかかる将棋の藤井聡太七冠。6月23日に行われた「棋聖戦」五番勝負の第2局で敗れ、シリーズ成績は1勝1敗に。注目の第3局は7月3日、静岡県沼津市の沼津御用邸で指される。
そんな藤井七冠は、28日に羽生善治九段との王座決定戦の準決勝を控えているが、この天才2人にまつわる「あるモノ」が人気を集めているという。将棋ライターの話。
「日本将棋連盟が発行する『アマチュア正式免状』です。これは、アマチュア棋士が連盟に申請し、段位を公認してもらう証明書で、そのときの会長と名人・竜王による直筆の署名が入ります。羽生九段は6月9日に日本将棋連盟の会長に就任。藤井七冠は竜王、名人のタイトルを保持しています。ですから、いま免状を取得すると、藤井七冠、羽生九段という2人ビッグネームの直筆サインの入った免状が手にできるわけです」
この奇跡的なタイミングへの反響は大きく、
「6月に藤井七冠、羽生九段の名前が並ぶことが決まって以降、申請が通常1カ月200枚のところが6月は800枚以上と4倍以上に急増し、3カ月待ちの状態だそうです」(前出・将棋ライター)
申請するには、もちろん段位の取得が必要。雑誌などの認定問題を解く方法のほか、最近は連盟公認のオンライン対局で昇段する方法もあるという。また、発行には料金がかかり、最も安い初段が3万3000円、最高額の六段となると27万5000円となかなかの値段だが、藤井七冠の人気は思わぬ余波を生んでいるようだ。
(鈴木十朗)