「達郎さんは『性暴力』を容認したんじゃないだろ」
7月10日にTwitterにそう投稿して、山下達郎を擁護したのは、山下と同じシンガーソングライターのASKAだった。
コトの発端は、音楽プロデューサーの松尾潔氏が、業務提携していた山下の事務所「スマイルカンパニー」との契約を解除されたことにある。松尾氏がジャニー喜多川氏の性暴力問題で苦言を呈したことを、問題視されたのだ。
契約解除には山下も賛成したと、松尾氏は暴露。山下はメディアやネット上で叩かれることになる。すると山下は7月9日、ラジオ番組「山下達郎のサンデー・ソングブック」(TOKYO FM)でこの騒動に言及し、反論したのである。
「契約終了を促したことはありません。そもそも彼とは長い間、会っておりません」
とした上で、ジャニー氏の性暴力には「私が知る術はまったくありません」と弁解。ジャニー氏の功績を絶賛し、「尊敬している」と持ち上げたのである。
当然ながら山下のこの発言は、さらなる大炎上を引き起こす。そこでASKAは、山下ファンと思われるTwitterユーザーの炎上批判ツイートを引用する形で、冒頭のように意見したのだ。さらには、
「バイバイと言って去った方には、他にも問題があったんじゃないだろうか。僕は、その人のことは知らないが」
と、松尾氏の契約解除についても私見を述べている。
確かに山下はラジオ番組で契約解除については、松尾氏が「憶測に基づく一方的な批判をしたこと」が一因だとしながら「理由は決してそれだけではありません」と語っている。
ASKAは「ラジオは聴いてなかったよ」と明かした上で、
「やはりか。普通に考えたらそうだろ。誰が好き好んでわざわざ石の飛んでくる風の中を歩く? 『それだけではない』ことの方が大きかったんだと思う」
とツイートしている。
そもそもASKAはなぜ、山下を擁護したのか。
「ひとつは、音楽業界の先輩である山下をかばいたい、との思いがあったのかもしれません。その一方で、自身に火の粉が降りかからないよう、予防線を張ったのではないか、との見方も出ています。というのも、ASKAも山下同様、過去にジャニーズのアーティストに楽曲を提供したことがありますからね」(音楽ライター)
ASKAはかつて、光GENJIのデビューシングル「STAR LIGHT」や「ガラスの十代」「パラダイス銀河」と、3曲続けて作詞・作曲を手がけ(「STAR LIGHT」の作曲はチャゲ&飛鳥名義)、光GENJIを一気にトップアイドルに押し上げた功労者だ。少年隊の「ふたり」の作詞・作曲も担当している。
「薬物騒動以降のASKAは、すっかり『お騒がせ』イメージがついてしまった。そのせいか、アーティストへの楽曲提供はほぼゼロの状態です。山下に乗っかってジャニーズ擁護を展開し、あわよくば再びジャニーズに楽曲提供を…なんて思惑もあるのかな、と勘繰ってしまいますが…」(前出・音楽ライター)
はたして山下擁護が、ASKAにとってプラスに働くかどうか。
(石見剣)