共産党の志位和夫委員長はフランス革命記念日(7月14日)を前に、次のようにツイートした。
「フランスで(共産党の機関紙)『赤旗』特派員として活動した緒方(靖夫)副委員長が、フランスの友人に日本国民の暮らしの苦しさを話すと『日本ではなぜ革命をしないのか』と。フランスでは『革命』とは『世の中を大本から変えること』と、当たり前の人民の権利として語られている。日本でもそうしていきたいものです」
志位氏は現在、フランスがどのような状況となっているか、全くわかっていないようだ。フランス政府は祝日にあたる今年の革命記念日には、花火の販売や使用を禁止する措置を発表した。6月にパリ郊外で少年が警察官に射殺された事件を発端として、各地で暴動が発生。このため「深刻な治安混乱を防ぐため」(7月9日付官報)に、お祝いの花火も禁止することになった。志位氏が気軽に「革命」と口にするような状況ではないのだ。
公安調査庁はその共産党を、破壊活動防止法に基づく調査対象団体に指定している。同庁はその理由を、以下のように説明している。
「共産党は、武装闘争を唯一とする戦術を自己批判しましたが、革命の形態が平和的になるか非平和的になるかは敵の出方によるとする『いわゆる敵の出方論』を採用し、暴力革命の可能性を否定することなく、現在に至っています」
志位氏のツイートは図らずも「共産党の本音が露呈した」(自民党閣僚経験者)と言える。立憲民主党などは次期衆院選において、共産党との選挙協力に関しては、当初のやらない方針から「各県の事情を踏まえて柔軟に考えたい」(泉健太代表)と方針転換した。先の自民党閣僚経験者は、
「立憲民主党からすれば選挙協力のつもりであっても、知らず知らずのうちに志位氏らの『革命戦略』に協力することになる、と自覚すべき」
と指摘するのだった。