先日発生した、大型で非常に強い台風6号は今週半ばに沖縄に停滞し、猛烈な大雨と暴風をもたらした。今回の台風は時速10~15キロと非常に遅く、沖縄では台風がここまで停滞することは珍しいという。沖縄旅行中に台風に直面し、帰れなくなったという男性は、
「ホテルに3日間も缶詰状態でした。一時はホテルが停電になり、エアコンがつかなくなった。暑くてたまりませんでしたね。食事をしようにも飲食店が開いておらず、コンビニに行っても根こそぎ売り切れ。幸いホテルから食事の支給がありましたが、今度は通信障害が発生して、会社に連絡するのもひと苦労でしたよ」
一方、那覇市に住む主婦からは、別の苦労が口をついて出る。
「子供が夏休みでずっと家にいるので、食料を買い出しに行くタイミングが分かりませんでした。普段、利用する大型ショッピングセンターは臨時休業。少し離れたスーパーは開いているようでしたが、道路の真ん中で木が倒れていました。沖縄のショッピングセンターやスーパーで働くのは子持ちのパートが多いため、学校が休みだと従業員は家から出られなくなり、店が休業になります。せめて夏休み中じゃなければよかったのですが」
沖縄は車通勤が多いため、台風が直撃すると従業員が出勤できなくなる。休業の基準として、路線バスの運休が目安になるというが、那覇市のビジネスホテルの従業員からは、こんな声が上がった。
「ホテルの客室や館内の清掃は清掃業者に委託しているのですが、バスが運休になると清掃業者が休むんです。帰れなくなったお客さんもいるので、ホテル自体は休むわけにはいきません。でも部屋の掃除ができないことを、お客様に説明しないといけない。台風で出勤できない従業員もいるので、出てきているスタッフは泊まりがけの勤務ですよ」
これから9月にかけて、さらに本格的な台風シーズンに入る。いつ訪れるかわからない自然災害に、沖縄は頭を抱えているのだ。