ロシアによるウクライナ侵攻後、テレビ番組などですっかり有名になった人物がいる。ボサボサ頭に青いシャツ、黄色のネクタイ姿の「スギちゃん」こと高橋杉雄氏である。スーツ姿が多い中、異色のラフな格好だが、れっきとした防衛省の研究機関である、防衛研究所の防衛政策研究室長だ。その「スギちゃん」が、異動によってテレビに出演できなくなるという。
高橋氏がX(旧Twitter)に書き込んだところによると、新しい肩書は「防衛戦略首席調整官」。本人は「左遷とか口封じとかではなく(笑)、100%私の希望によるものです。ちなみに昇進ではありません(笑)」と説明している。
高橋氏は昨年2月以降、「本日は○○にお邪魔します」と、ニュース番組やワイドショーなどの出演予定を書き込んでいた。高橋氏のような専門家が戦況をわかりやすく解説したおかげでエセ専門家を駆逐でき、テレビ局側も歓迎していたのに、なぜ出演できなくなるのか。
高橋氏は「100%私の希望」と強調するが、そうでない理由を口にする人たちもいる。防衛省関係者によると、写真週刊誌「FRIDAY」が4月に報じた、高橋氏のスキャンダルが影響しているというのだ。高橋氏は群馬県在住の既婚女性と「見たいな。Aさんの胸」などと、ヒワイなメッセージのやりとりを交わしていた。
不倫行為に及んでいたわけではなかったため、お咎めはなく、その後もテレビ出演していたが、先の防衛省関係者は、次のように解説するのだ。
「過去にも女性をめぐる騒動を起こしたことがあるので、このままテレビ出演させておくと、さらなる問題が生じかねない。防衛措置として、本省のポストを用意した」
この点だけは、高橋氏の説明よりわかりやすいようである。